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388話

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「可愛い」
お腹いっぱいになったのか、ライがこくりと船を漕ぎはじめる。
「随分と食べたな」
ライの頭を優しく撫でるレヴィ。
「だね、俺のパンケーキふたりで半分は食べていると思うよ?自分たちのミックスサンドもたいらげたのにね」
食欲旺盛な双子が、食べ過ぎないようにと気をつけてやらないとと思いつつ俺はオレンジジュースを飲み干した。
果汁100パーセントだろう甘酸っぱいジュースはとても美味しかった。
「まま、だっこ」
ライがちょんちょんと俺の膝に触れる。
「ん?いいよおいで?リルパパのお膝も良いでしょ?」
「んー……ままがい」
甘えてくるルスをほらと抱き上げ渡してくるリル。
落とさないように受け取ってルスを膝に乗せた。
「まま、すき」
「ありがとう、ママもルスが大好きだよ」
可愛らしい告白に、チュッとルスの頬にキスをした。
いつまでこうして抱っこさせてくれるのだろうか。
「リルやレヴィに似たらイケメンになるだろうから、いつまで俺に甘えてくれるかなぁ……そう言えば、ラヴィ王子の所にも行かないといけないよね?」
バタバタしていて、行けなかったため時折顔を出す約束を違えてしまっていた。
「そうだな……行ってやるか」
未だにリルは俺を無理やり乳母役に任命しようとした王を許していない。
「お母さんたちがいなくなったのを王妃様にも伝えたいし……先触れをしておいた方がいいよね?」
「だな、俺がしておこう」
レヴィがやってくれるのならと、頼みつつルスを抱っこしてゆらゆらと揺れてみてその体温の高さにこちらも眠くなりそうになるが、まだ店の中だからと俺は小さな欠伸をした。
「そろそろ行くか?」
「そうだね、レヴィも大丈夫?」
「あぁ、行こう」
全員で立ち上がるとリルがお会計をしてくれた。
「ごちそうさまでした」
俺は店員にそう言って頭を下げると、ひらひらと振った掌に水掻きが見えたから、カエルさんかなぁと思いつつ俺はルスの手を持ってバイバイと振ってみる。
「ちそしゃま」
ご馳走様が上手く言えないが、俺の真似をして喋るルス。
「ふふ、美味しかったもんねぇ?」
ルスと顔を合わせてねぇ?と、首を傾げるとルスも同じ方にこてんと頭を倒すルスの愛らしさにぎゅっと抱き締めてしまい、ルスにジタバタとされてしまい、ごめんねと謝りながら店を出た。
「リクト、ルスを抱いたまま歩けるか?」
「うん、駄目だったらお願いするね?でも、片手じゃ抱っこしてあげられないから手は繋げないよ?」
筋力がなくて、ふたりみたいに片手で抱っこなんて出来ないから、鍛えなければいけないかなと俺は反省した。
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