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374話

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「リル、レヴィは眠ったよ。早く治るといいなぁ」
俺の呟きにリルはそうだなと頷いた。
「ルス、ライ、プリン美味しかった?」
リビングのソファーに座ったリルの両脇に一人ずつころんと転がる姿は愛らしい。
俺の問いかけに双子は可愛らしく鳴いた。
「美味かったぜ?」
双子をそれぞれ撫でながらリルが笑う。
良かったと、胸を撫で下ろしていると
「リクト、玉子を買ってきたぞ?」
ルーファスさんがひょっこりと顔を覗かせた。
「ありがとうございます、お父さんもプリン食べましたか?」
「あぁ、美味しかった。優しい味だったな」
「レヴィが好きだからハチミツの甘さにしてみましたが」
「また、今度頼む」
ルーファスさんに、ポンと肩を叩かれる。
「はい、レヴィがまた食べられるように違うプリンも作りますから、出来上がったら声を掛けますね?玉子、いただきます」
そう言うとルーファスさんは沢山使ってくれと笑った。
「ルスとライはじぃじとお昼寝をするか?」
遊び疲れたのだろう、こくりこくりと船を漕ぎ始めた双子をひょいひょいと抱き上げたルーファスさん。
「ミラも一緒に寝るだろうから借りていく」
細身でもやはり肉食獣人なルーファスさんにお願いしますと言うと、そのまま双子を抱えてダイニングを出ていった。
「リル、新しいプリンを作っちゃうね?」
「何か手伝うか?」
「大丈夫だよ?」
「なら、リクトの傍にいてもいいか?」
リルの珍しい物言いにくすりと笑う。
リルが甘えている。
「火傷しないように気を付けるならいいよ?」
俺は了承した。
「エプロンする?」
俺は手を洗うとエプロンを二枚取り出すと一枚をリルに差し出した。
「おう?」
「ふふ、リルとレヴィが買ってくれたエプロンだよ?」
可愛らしい水色のフリルが付いたエプロンを渡したのは意地悪だろうか。
つい、リルにはこんな悪戯をしたくなってしまうし、リルも真面目な顔をしてちゃんと付けてくれるのも好きだ。
「レヴィはプリン以外に何か食べれるかなぁ……茶碗蒸しとか……作ってみようかな」
具材はあるからと、多めに玉子を解こうと用意をする。
「リル、玉子を割ってくれる?俺、出汁をひくから」
茶碗蒸しの出汁は昆布出汁が好きだと、作り置きの出汁を取り出し、中に入れる具材をきる。
とり肉、シイタケ、本当は他の具材もあれば良かったのだが思い付く具材はこのくらい。
「プリンに入れるのか?」
俺の手元を覗き込んできたリルに俺は頭を振った。 
「甘くないプリンを作るんだよ、出来上がったら食べてみる?」
「甘くねぇのか、それは気になるな」
「じゃあ、リルの分もだね?」
そう言いながらリルに大量の玉子を割ってもらうのだった。
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