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368話

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「レヴィ、やっぱり体調悪いね」
大丈夫だと言い張るレヴィを見やりつつ、俺は通常の食事とそれ以外にパン粥を作る。
「熱があるから額を冷そうか。それと今日はできるだけ寝てよう?」
いつもより咀嚼がゆっくりで少し食べるのも辛そうにしているレヴィ。
「リル、今日は少しレヴィを看なきゃならないかもしれないから、子供たちお願いできる?」
「おぅ、任せとけ」
双子の頭を撫でながらレヴィは外へ遊びに行こうかと双子を誘う。
「ルスもライもリルパパの言う事聞いてね?いってらっしゃい」
三人を見送ってから、俺はレヴィを寝台に寝かせた。
「ほら、レヴィ……ちょっと頭を冷そうね。熱が上がると辛いでしょ?」
体温計が無いから正確な体温は測れないが、俺の掌よりは熱いくらいだ。
「食事もあまり取れてないし、パン粥は食べられたけど、喉痛い?」
寝台に横になるレヴィの額に冷たく絞った布を乗せる。
「大丈夫だから、リクトもゆっくりしてくれ」
「レヴィってば、具合が悪い時に他の心配しなくていいんだよ。俺もあまり体調崩したこと無いけど、レヴィが具合悪くなるなんてびっくりしちゃった」
不謹慎だけれど、レヴィが可愛い。
「薬とかあるのかな……レヴィ?」
「無いな……俺も、リルも健康体だから、傷薬はあるが……」
「そっか、じゃあミトさんに聞いてくる」
レヴィにしっかりと上掛けを掛け直してやってから、俺はそっと部屋を出た。
レヴィがゆっくり休めればと思ったからでもある。
「……困ったな……獣人の看護って、どうしたらいいんだろ……」
俺はポツリと言葉を零した。
熱があるのはわかっているが、体温計がある訳ではなくだいたいの体温しかわからないのが困る。
とりあえず、胃に優しくあたたかいものだろうかと、スープでも作ろうとキッチンへ向かった。
「あら、リクトちゃんどうしたの?」
キッチンではミトさんが何かを作っている。
「おはようございます。レヴィが熱っぽいみたいで 」
「あら、薬湯を作らなきゃいけないわね。待ってて直ぐにできるから。ダーリンにレヴィが熱があるって言えば直ぐに材料を揃えてくれるわ。寝室に居るから声を掛けてもらっていいかしら?」
ミトさんは、大きめな片手鍋に水を入れて火に掛けた。
「はい、行ってきます」
俺は言われたままルーファスさんの所へ向かう。
コンコンと扉をノックすると返事があり、俺はそっと扉を開いた。
こうしてミトさん達の寝室を見るのは実は初めてだ。
部屋の中は光が差し込み、白を基調とした部屋はとても綺麗だった。
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