【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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322話

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「そう言えば、お米......あまり食べないって」

ミトさん達が輸入をしなければ、この国では米はあまり食べないと聞いていたけれど。

「リクトが、美味く米を食わせてくれたのをミトさんが覚えて料理人に伝えたら、そこから火がついて草食系に人気になったんだと」

レヴィがお粥を食べながらそう説明してくれた。けど、やっぱりスプーンだと食べづらい。

「レンゲ......欲しいな」
「レンゲ?」
「うん、陶器でできたスプーンでちょっと深めだけど一口で口の中に入れられるからこう言う汁物に近いものを食べるのに適したヤツでさ?」
「そんなのがあるのか」

簡単な説明をした俺の話を誰かが聞いていたのだろう、数週間後に来た時にはこの店にはレンゲが常備されていたのだった。

「お腹いっぱいだよ」

朝からつい美味しくてお粥なのに沢山食べてしまった。
レヴィは俺の3倍以上食べているのにまだ物足りないななんて言っている。
歩きながら他にも食べる?と聞くと、レヴィはいいのか?と、嬉しそうに笑った。
歩きながら食べるのは、レヴィは大きな鶏肉を唐揚げにしたのをバンズに挟んだハンバーガー。
片手は俺と繋ぎながら、器用に食べているのだ。
俺は小さめなクレープ。
カスタードとホイップ、フルーツが入った定番のもの。
甘い香りに誘われてしまい、開店したばかりのパン屋さんの中で作ってもらった。
お腹いっぱいでも甘い物は別腹だから。そう思いながらもいつもの様には食べられず、ゆっくりゆっくりクリームを口に入れる。

「昨日もだったけど、レヴィ達となかなか、こうして歩くなんて無いから楽しい」

少しずつ開き始め賑わいを見せる街を見ながら俺はクレープをたべる。

「リクト、クリーム付いてるぞ」

そう言って唇の端を拭ってくれたレヴィは、その指をぺろりと舐めた。

「甘いな......美味そうだ」

ふふっと笑ったレヴィは、もう既にハンバーガーを食べ終えている。
本当に大食漢なんだなぁと思いながら、持っていたクレープを差し出して見ると、レヴィはパクリと一口クレープを食べた。
レヴィが甘い物好きなのを知っている俺は、ちょっとだけ食べて差し出す。
俺がお腹いっぱいなのがわかっているのだろうレヴィは嬉しそうに全部食べてくれ、そうこうしているとギルドの前に着いていた。
今日訪れたのは商業ギルド。
昨日の冒険者ギルドとはまったく違う佇まいだった。
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