312 / 405
318話
しおりを挟む
「リル、美味しい。俺が作るパスタとは全然違うね」
何でだろうと思いながらリルと少しづつ食べた。
やっぱりソースかなぁと考えながらも手は止めずリルに食べてもらう。
本当に良く食べてくれるのは、作り手側からすると嬉しいものだ。
「あぁ、これも美味いがリクトの料理も美味い。ナポリタン食べてぇな」
ゆらりゆらりと大きくリルの尻尾が揺れていた。
「じゃあ、近いうちに作るね?今度はカツカレーとナポリタンとハンバーグのプレートとか......リルはどう?子供たちも嫌いじゃなければ」
「プレートだけじゃ足りねぇよ、もっと食いてぇ」
確かにいつもワンプレートでは出さないため、それはそうかとかんがえる。
「わかった、もう少し考えるね?食べたいものがあったら言って?レヴィにも聞くけど」
「おう、リクト次はあれがいい」
ドーナッツのようなパンのような物を指差してから立ち上がりそちらに向かうリル。
ゴミはちゃんとにゴミ箱へ。
「甘そうなドーナッツだけど、リル食べられる?」
「食えるぞ、レヴィみたく甘党じゃねぇけど。しょっぱいものの後は甘いものだろ?」
交互に食べればエンドレスなんてことはある訳が無い。
けど、リルがそう言うならいいかと頷く。
「リル、帰ってお腹いっぱいだって言ったら知らないからね?程々に」
「じゃあ、このドーナッツと後はフルーツで終わりにしてから他を見ような?」
「うん」
甘い香りのするドーナッツ。
リルは何を選ぶだろうとワクワクしていると、リルは1番オーソドックスなものを頼んだ。
わたされたのは、穴の空いたドーナッツではなく、棒タイプのチュロス。
俺が美味しそうだなと思ったやつだった。
「ほら、リクトが好きだろ?後はチーズケーキとかもあるけど」
「ううん、いい。一口食べたかっただけだから、リルこそ他の食べたくない?」
リルがドーナッツを好んで食べるのはあまり見たことがない。
でも、家だとフレンチトーストやパンケーキを食べるから甘いのが苦手な訳では無さそうだけれど。
先に食えと言われてパクリとチュロスの先を齧ると、表面の砂糖がぱらぱらとおちた。
「ごめん」
「構わねぇよ」
クスクス笑ったリルの顔が近づいてきてぺろりと俺の口元を舐める。
「甘いな」
「リル!」
周囲がいるのにと、周りを見るが特にこちらを見ている人はいなくてホッとする。
「さて、俺も食べたいから、食わせてくれ」
差し出したチュロスをもぐもぐとしながら向かった先は果物屋さんで、そこに着くまでには手の中のチュロスは綺麗にリルのお腹の中に入ってしまった。
何でだろうと思いながらリルと少しづつ食べた。
やっぱりソースかなぁと考えながらも手は止めずリルに食べてもらう。
本当に良く食べてくれるのは、作り手側からすると嬉しいものだ。
「あぁ、これも美味いがリクトの料理も美味い。ナポリタン食べてぇな」
ゆらりゆらりと大きくリルの尻尾が揺れていた。
「じゃあ、近いうちに作るね?今度はカツカレーとナポリタンとハンバーグのプレートとか......リルはどう?子供たちも嫌いじゃなければ」
「プレートだけじゃ足りねぇよ、もっと食いてぇ」
確かにいつもワンプレートでは出さないため、それはそうかとかんがえる。
「わかった、もう少し考えるね?食べたいものがあったら言って?レヴィにも聞くけど」
「おう、リクト次はあれがいい」
ドーナッツのようなパンのような物を指差してから立ち上がりそちらに向かうリル。
ゴミはちゃんとにゴミ箱へ。
「甘そうなドーナッツだけど、リル食べられる?」
「食えるぞ、レヴィみたく甘党じゃねぇけど。しょっぱいものの後は甘いものだろ?」
交互に食べればエンドレスなんてことはある訳が無い。
けど、リルがそう言うならいいかと頷く。
「リル、帰ってお腹いっぱいだって言ったら知らないからね?程々に」
「じゃあ、このドーナッツと後はフルーツで終わりにしてから他を見ような?」
「うん」
甘い香りのするドーナッツ。
リルは何を選ぶだろうとワクワクしていると、リルは1番オーソドックスなものを頼んだ。
わたされたのは、穴の空いたドーナッツではなく、棒タイプのチュロス。
俺が美味しそうだなと思ったやつだった。
「ほら、リクトが好きだろ?後はチーズケーキとかもあるけど」
「ううん、いい。一口食べたかっただけだから、リルこそ他の食べたくない?」
リルがドーナッツを好んで食べるのはあまり見たことがない。
でも、家だとフレンチトーストやパンケーキを食べるから甘いのが苦手な訳では無さそうだけれど。
先に食えと言われてパクリとチュロスの先を齧ると、表面の砂糖がぱらぱらとおちた。
「ごめん」
「構わねぇよ」
クスクス笑ったリルの顔が近づいてきてぺろりと俺の口元を舐める。
「甘いな」
「リル!」
周囲がいるのにと、周りを見るが特にこちらを見ている人はいなくてホッとする。
「さて、俺も食べたいから、食わせてくれ」
差し出したチュロスをもぐもぐとしながら向かった先は果物屋さんで、そこに着くまでには手の中のチュロスは綺麗にリルのお腹の中に入ってしまった。
135
お気に入りに追加
5,245
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
氷の華を溶かしたら
こむぎダック
BL
ラリス王国。
男女問わず、子供を産む事ができる世界。
前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。
ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。
そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。
その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。
初恋を拗らせたカリストとシェルビー。
キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる