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300話

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食事を終えて、双子を見て貰いながら俺は片付けものを済ませるとミラに声を掛ける。
「ミラ、お風呂どうする?一緒に入る?」
ミトさんたちがいないから、一緒にお風呂に入らなきゃなりないと、声を掛ける。
「うん!お風呂!はいるー」
元気に答えたミラだったが。
「ちょっ!待てよ」
待ったを出したのはリルで。
ダイニングの床にごろごろと寝転がってルスと遊んでくれていたリルががばりと起き上がる。
「ん?どうしたの?リルがミラと入ってくれるの?」
それはそれでありがたいのだけれど。
「あー……わかったよ、ミラは俺が風呂に入れるけど……」
リルは何か言いたげにタシッタシッと尻尾が揺れている。
「俺抜きでレヴィとイチャイチャすんなよな、俺だってシてぇんだから」
ボソッとそう口にしたリル。
「ちょっ」
率直な言い回しに顔が赤くなる。
確かにリルは獣化したら理性が効かなくなるとは言っていたけれど、今までそんな素振りは見たことがないし、レヴィだって同じだ。
「それになぁ、ミラだってレディだろ……幼くてもリクトの全裸は見せたくねぇ」
珍しいリルの我儘と言うよりも嫉妬?
「ありがと……でも、ミラの身体を洗って乾かすだけだから、シャツと短いズボンで入ってもいいよ?ね、ミラ?その後にちゃんと入っても大丈夫。お風呂長いの好きだし」
でも、先に上がったミラの面倒と寝かしつけもしないといけないから、やっぱり無理かなと思ってしまう。
「なら、俺達は遅く風呂にしよう?」
風呂を洗って戻ってきたレヴィがそう言ってくる。
「でも、日中の事もあったし、2人とも早く入りたくない?」
「まぁ、でも川で水浴びしたしな?入りたきゃ飯の前に入っちまうよ」
リルとレヴィが視線を交わしてから頷き合う。
すると、がチャリと玄関が開いた音がした。
「パパ、ママっ!」
ミラが玄関に駆け出す。
「あらぁ、ミラただいま。食事はしたの?」
ミトさんの伸びやかな声が聞こえてくる。
「リクトちゃん、ただいま。ダーリンとゆっくり食事させて貰っちゃった。ありがとう」
ひょいとミラを抱き上げたミトさんが顔を覗かせた。
「泊まってくるかと思ったのですが……」
「大丈夫だ、そんなに気をつかうな」
ルーファスさんがミトさんの後ろからやってくる。
「ミラ、アタシたちとお風呂入ろうね。その前にリクトちゃんコーヒー飲みたいわ。リクトちゃんのコーヒーは何故か同じようにしているのに味が違って美味しいのよね」
ミトさんがミラを高い高いしている。
「わかりました、お父さんや2人は?ミラはカフェオレにしようか」
自分もたまには甘いカフェオレにしようかなとキッチンでマグカップを並べ始める。
これから少しの間は一家団欒になるだろう。楽しいひとときの始まりだった。
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