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290話
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「子供達寝ちゃったね、どうしようかなぁ」
そろそろ行かないといけないかなと片付けを始めようとして双子がいつの間にか寄り添って寝ているのに気付いた。
ルスがライを護るように抱き込んでいるのが可愛くて仕方無い。
双子なのにちゃんとルスがお兄ちゃんなのだろう。
ルスの頭を撫でてもぱたりぱたりと尻尾が揺れるが目を開ける気配もない。
「俺がルスを預かろう」
レヴィがルスを抱き上げると、着ていたジャケットの裾を縛り抱っこ紐のようにして其処にルスを入れる。
抱っこ紐はライの分しか持ってきていなかったのだ。
「そっか、ルスの分も必要だったんだよね」
走り回っても、やっぱり幼い子供なのだ。
子育てって難しいなと反省しながら、ルスをレヴィに任せる。
ライをいそいそと抱き上げたリルは、抱っこ紐に通して大切そうに胸に抱く。
その間に俺は食器等を片付けつつ、折角だから川で洗ってしまおうかとリルに声を掛けた。
「少しだけ行くのを待てるかな?お皿とかあそこの川で洗っておきたいんだけど」
汚れた皿を持って川を指差すとリルは一緒に行くぜと器用にライを抱いたままシートを畳んでしまってくれた。
「ライ重くない?」
「ん?リクトだって重くねぇのに、紙みてぇなもんだよでも幸せだよなぁレヴィ?」
「そうだな」
皿を持とうかとレヴィの手が出てくるが、俺は子供達をお願いと2人の手を断ってから3人で川岸まで歩く。
あまり距離は無く、水の流れも早くないから大丈夫だろうと1枚ずつ皿を洗う。
「わぁ、結構冷たいんだね」
手を浸した川の水はまだまだ冷たいけれど、気持ちいい。
暑いときは川遊びもいいかななんて思う。
「お、魚もいるな……蟹も」
「えっ!まっ!」
苦手な単語に俺は尻餅をつく。
食べるのも得意ではないが、実は見るのも苦手だったりする。
「あー、リクト苦手だったっけか。悪い……茹でて喰う事もあるからよー……ほら、洗ってやるからレヴィリクトを頼む」
川遊びだなんて、出来ないなとさっきまでの意見を覆す。
「リクト、リルに任せてこっちに来い」
レヴィに腕を掴まれて引き寄せられる。
「ごめん……どうしても苦手で……」
虫は平気なのにどうしてもあの水中にいる外骨格が苦手なのだ。
トラウマがある訳じゃない。だってそうだろう?Gが苦手な人全てにトラウマがある訳じゃなく気持ち悪いとかなんとなく苦手だろうから。
「誰にでもあるから大丈夫だって、ほら洗い終わったみたいだ」
リルがライを抱いたままお皿を洗い終えて川から離れてくれた。
「リルありがとう」
「おう、じゃあ薬草採取行こうぜ」
ピカピカになったお皿を俺はアイテムボックスにしまうのだった。
そろそろ行かないといけないかなと片付けを始めようとして双子がいつの間にか寄り添って寝ているのに気付いた。
ルスがライを護るように抱き込んでいるのが可愛くて仕方無い。
双子なのにちゃんとルスがお兄ちゃんなのだろう。
ルスの頭を撫でてもぱたりぱたりと尻尾が揺れるが目を開ける気配もない。
「俺がルスを預かろう」
レヴィがルスを抱き上げると、着ていたジャケットの裾を縛り抱っこ紐のようにして其処にルスを入れる。
抱っこ紐はライの分しか持ってきていなかったのだ。
「そっか、ルスの分も必要だったんだよね」
走り回っても、やっぱり幼い子供なのだ。
子育てって難しいなと反省しながら、ルスをレヴィに任せる。
ライをいそいそと抱き上げたリルは、抱っこ紐に通して大切そうに胸に抱く。
その間に俺は食器等を片付けつつ、折角だから川で洗ってしまおうかとリルに声を掛けた。
「少しだけ行くのを待てるかな?お皿とかあそこの川で洗っておきたいんだけど」
汚れた皿を持って川を指差すとリルは一緒に行くぜと器用にライを抱いたままシートを畳んでしまってくれた。
「ライ重くない?」
「ん?リクトだって重くねぇのに、紙みてぇなもんだよでも幸せだよなぁレヴィ?」
「そうだな」
皿を持とうかとレヴィの手が出てくるが、俺は子供達をお願いと2人の手を断ってから3人で川岸まで歩く。
あまり距離は無く、水の流れも早くないから大丈夫だろうと1枚ずつ皿を洗う。
「わぁ、結構冷たいんだね」
手を浸した川の水はまだまだ冷たいけれど、気持ちいい。
暑いときは川遊びもいいかななんて思う。
「お、魚もいるな……蟹も」
「えっ!まっ!」
苦手な単語に俺は尻餅をつく。
食べるのも得意ではないが、実は見るのも苦手だったりする。
「あー、リクト苦手だったっけか。悪い……茹でて喰う事もあるからよー……ほら、洗ってやるからレヴィリクトを頼む」
川遊びだなんて、出来ないなとさっきまでの意見を覆す。
「リクト、リルに任せてこっちに来い」
レヴィに腕を掴まれて引き寄せられる。
「ごめん……どうしても苦手で……」
虫は平気なのにどうしてもあの水中にいる外骨格が苦手なのだ。
トラウマがある訳じゃない。だってそうだろう?Gが苦手な人全てにトラウマがある訳じゃなく気持ち悪いとかなんとなく苦手だろうから。
「誰にでもあるから大丈夫だって、ほら洗い終わったみたいだ」
リルがライを抱いたままお皿を洗い終えて川から離れてくれた。
「リルありがとう」
「おう、じゃあ薬草採取行こうぜ」
ピカピカになったお皿を俺はアイテムボックスにしまうのだった。
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