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287話

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「わ、ライ?」
レヴィと珈琲を飲んでいると、寝転がっていたライが起き上がりハイハイをしながらシートの外に出ようとしていた。
それを慌てて止めると、ライはぷくっと頬を膨らませた。
「ライ危ないよ。パパとママだけお茶をしてるのが嫌だったかな?ライもミルクにする?」
ピコピコと小さな丸い耳が動き、膨らんでいた頬が今度はえくぼで凹んだ。
俺はカップを置くと、レヴィがいつの間にかミルクを取り出してくれていた。
これは、いつでも直ぐに飲めるようにと作ってマジックボックスに入れてあった。
それを受け取ってライに飲ませると、やはりルスの飲んでいた半分ほどまででケプッとしてしまった。
「やっぱり飲むのは少ないね……」
「でも、ちゃんと育っている心配するな」
レヴィの言葉に頷いて、ライの唇を拭ってやる。
抱き上げて背中をトントンすると、ケプリと息を吐いた。
「病気じゃ無ければいいや」
元気に育ってくれればそれでいい。
眠そうに欠伸をしたライを下ろしてやると、パチパチと瞬きをしてから眠いとばかりに欠伸をひとつ。
「寝るのがお仕事だもんね?たくさん寝るんだよ?」
ライの頭を撫でてやると、そのまま目蓋が落ちていく。
「レヴィの小さな頃もこうだったのかなぁ。いつかきっとルスもライも俺より大きくなるんだろうね……楽しみでもあるし、親離れしたら寂しくなるかも」
「なら、もっと家族を作ればいい。勿論俺達もずっと一緒だが」
「うん」
差し出されたカップを受け取り、甘めにした珈琲を口にする。
優しいレヴィの気持ちが嬉しかった。
「レヴィ、リルもだけど……ふたりの伴侶にしてくれて幸せだよ?」
珈琲の香りがするキスをして、ライを撫でながらゆっくりとした時間を過ごした。
「そろそろお昼かな」
時間の感覚がわからないとレヴィに聞くと、そろそろだろうとレヴィも頷く。
「リルに連絡するのはどうしたらいいのかな。先にお昼を食べたら怒られそう?」
「あぁ、呼ぶから待ってくれ」
そう言いながらレヴィは服を脱ぎ始め全裸になると獣化した。
もふもふの可愛い姿で四つん這いになると、喉を逸らし空に向かって吠えた。
肉食獣の咆哮は大気を揺らす。
「うわっ!」
ビリビリと空気が振動するのを肌で感じて目を閉じた。
すると、遠くて俺にもわかるくらいの大きさで返事が返ってくる。
「リルかな?戻ってくるかなぁ?」
『グルゥ……直ぐに戻ると。準備して待とう?』
レヴィにそう言われると俺は頷いてボックスから昼食を取り出していく。
その間にレヴィは獣化を解いて服を着るのだった。
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