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285話

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「レヴィ、この辺りで大丈夫か?」
リルが馬車を停めたのは街道から逸れた川岸の近くだった。
レヴィが先に荷台から降りると、荷台の車輪に留め具を掛けてから騎獣から荷台を外していた。
「ご苦労な」
リルがポンポンと騎獣の首の辺りを叩くと、騎獣は鼻を鳴らした。
「ルス、窮屈だけどこれ着けてね?」
走り回りたいお年頃のルスには、申し訳ないけれど獣人用のハーネスだ。
人権が……と、話題になったニュースがあったけれど、俺は見た目とかよりも命の方が大切だと思うんだよね。
こればっかりはその人の考え方次第だけど、俺は手を離してしまうよりは繋がっていたい。
リルとレヴィにもお願いをして許可を貰ったのだ。
「ルス、ママかパパの側で遊んでね?遊んだらお菓子もあるよ?」
お菓子の単語に反応するようになったルスはこくこくと頭を縦に振った。
「ライはおんぶ紐だね」
抱っこ紐は、抱っこする側から見ると子供の様子を良く見られるが、おんぶの方が子供は色々な景色を見ることができて飽きないという。
ライはどちらが好きかやってみようと、お手製のおんぶ紐を作ったのだ。
リルが手伝ってくれて、ライを背中におんぶすると、ライはむずがる事もなく大人しい。
「さて、リルとレヴィは探しに行く?俺はおやつの用意でもしようかな」
折角だから直ぐに休憩できるようにと用意場所を作ろうとレヴィからアイテムボックスを借りる。
荷台を置いた側には木陰ができるくらいの木があり、その下にレジャーシートを敷こうと取り出す。
「大丈夫か?手伝おう」
そう言いながらレヴィがシートを敷くのを手伝ってくれる。
「リクト、ルスを預かるぜ?この紐の端を持ってりゃいいんだろ?薬草採取だから危ねぇ場所はねぇからな、任せてくれねぇか?」
手を差し出してきたリルに、少し悩んだがお願いとハーネスの端を渡した。
「ルス、リルパパと一緒に行く?」
行くと、鳴いたルスに行ってらっしゃいと抱き上げてキスをして。
「ずりぃ、俺も」
どっちが子供なのかわかるないリルのおねだりに、仕方ないなとその頬にキスをする。
「リルも行ってらっしゃい、気をつけてね?」
心配なのはルスだけじゃない。
高ランクの冒険者だって怪我をしない訳じゃないから。
「おぅ、行ってくるぜ。レヴィだって後から来んだろ?」
「あぁ、こっちをやったらな」
「頼んだぞ?」
そう言って手を振りながら離れて行ったリルとルスを見送ってから、レヴィの敷いたシートに座る。
いつの間にかシートが改良されて四隅が釘で地面に打ち付けられ、飛ばないようになっていた。
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