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番外編
バレンタインデー 2
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暫く建物を見ていると、家の中から誰かが出てくる。
それは一組のカップルのようだった。
「ほら、此処に連れてきてやりたかったんだ」
「入ろうか」
リルとレヴィに促されると、俺はそろそろと家に向かう。
恐る恐る手を伸ばした扉の取っ手はパンのようなドーナツのようなものに見えたが、触るとしっかりと硬かった。
お菓子に見えるけれど、実はフェイクなのだろうか。
扉を引くと、中は色とりどりのお菓子で埋め尽くされている。
可愛らしい椅子やテーブルが並んでいて、そのうちのひとつを囲む。
「ショーケースの中は食えるから、あの皿に好きなものを取ってこいよ。レヴィもリクトと行ってこい」
俺は席を取っておくからとリルが手を振る。
リルにそれを頼むと、俺は皿を手にした。
どうやらビュッフェスタイルのようで、ショーケースの中にはたくさんのケーキやゼリー、プリン、カットフルーツ等もある。
「レヴィ、凄いね、どれも美味しそう」
「好きなものを好きなだけ食べればいい。あっちには軽食のサンドイッチ等もあるから、塩味が欲しくなったらそっちだ?」
レヴィも皿を手にしてから少しずつスイーツを乗せていく。
たっぷりシュガーコーティングしたドーナツや、メープルシロップたっぷりのパンケーキ。
どれも目移りしてしまいそうだが、全部は食べられない。
俺はチーズケーキやプリンを乗せつつ深さのある皿にフルーツを乗せた。
端からゆっくりと取り分け、移動していくと俺の足が止まった。
目の前にあるのは巨大なチョコファウンテン。
ファウンテンの前は凄く人気で、フルーツやマシュマロを持った獣人が、チョコレートの滝に具材を入れていた。
甘い香りがしていたのはこれだった!
俺もやりたいとレヴィを見上げると、レヴィはこくりと頷いて列に並ぶ。
このためのフルーツだったのだろう。
竹串に似た細い棒にフルーツを刺している。
レヴィはその隣にあるジェラートが気になっているようだった。
俺は順番を待ってチョコフォンデュを楽しむと、次の人に順番を譲ってリルの所に戻った。
レヴィが先に戻っていて、リルは自分の分を取りに行ったらしい。
「リクト先に食えよ冷める」
「ううん、リルを待つよ。レヴィはジェラートが溶けるから早く食べなきゃ」
レヴィを促していたが、直ぐにリルが戻ってきて、俺を挟むように座ると、いただきますと手を合わせた瞬間、両脇から一緒に声がする。
「「ハッピーバレンタイン」」
そう言えば今日はバレンタインデーだった?
すっかりと忘れていた俺だったが、ホワイトデーには何かを返すと決めた。
「ありがとう、ふたりとも大好き」
チュッチュッとふたりの頬にキスをしてから、それをごまかすようにチョコレートフォンデュを口にした。
甘い甘い味覚は、最高に幸せになる。
それは一組のカップルのようだった。
「ほら、此処に連れてきてやりたかったんだ」
「入ろうか」
リルとレヴィに促されると、俺はそろそろと家に向かう。
恐る恐る手を伸ばした扉の取っ手はパンのようなドーナツのようなものに見えたが、触るとしっかりと硬かった。
お菓子に見えるけれど、実はフェイクなのだろうか。
扉を引くと、中は色とりどりのお菓子で埋め尽くされている。
可愛らしい椅子やテーブルが並んでいて、そのうちのひとつを囲む。
「ショーケースの中は食えるから、あの皿に好きなものを取ってこいよ。レヴィもリクトと行ってこい」
俺は席を取っておくからとリルが手を振る。
リルにそれを頼むと、俺は皿を手にした。
どうやらビュッフェスタイルのようで、ショーケースの中にはたくさんのケーキやゼリー、プリン、カットフルーツ等もある。
「レヴィ、凄いね、どれも美味しそう」
「好きなものを好きなだけ食べればいい。あっちには軽食のサンドイッチ等もあるから、塩味が欲しくなったらそっちだ?」
レヴィも皿を手にしてから少しずつスイーツを乗せていく。
たっぷりシュガーコーティングしたドーナツや、メープルシロップたっぷりのパンケーキ。
どれも目移りしてしまいそうだが、全部は食べられない。
俺はチーズケーキやプリンを乗せつつ深さのある皿にフルーツを乗せた。
端からゆっくりと取り分け、移動していくと俺の足が止まった。
目の前にあるのは巨大なチョコファウンテン。
ファウンテンの前は凄く人気で、フルーツやマシュマロを持った獣人が、チョコレートの滝に具材を入れていた。
甘い香りがしていたのはこれだった!
俺もやりたいとレヴィを見上げると、レヴィはこくりと頷いて列に並ぶ。
このためのフルーツだったのだろう。
竹串に似た細い棒にフルーツを刺している。
レヴィはその隣にあるジェラートが気になっているようだった。
俺は順番を待ってチョコフォンデュを楽しむと、次の人に順番を譲ってリルの所に戻った。
レヴィが先に戻っていて、リルは自分の分を取りに行ったらしい。
「リクト先に食えよ冷める」
「ううん、リルを待つよ。レヴィはジェラートが溶けるから早く食べなきゃ」
レヴィを促していたが、直ぐにリルが戻ってきて、俺を挟むように座ると、いただきますと手を合わせた瞬間、両脇から一緒に声がする。
「「ハッピーバレンタイン」」
そう言えば今日はバレンタインデーだった?
すっかりと忘れていた俺だったが、ホワイトデーには何かを返すと決めた。
「ありがとう、ふたりとも大好き」
チュッチュッとふたりの頬にキスをしてから、それをごまかすようにチョコレートフォンデュを口にした。
甘い甘い味覚は、最高に幸せになる。
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