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271話獣化
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「それにしてもすげぇな」
リルが聖樹を見上げながら、呟く。
リルの腕の中でもぞもぞ動くルスが次の瞬間すると腕の中から落ちた!危ないと焦って抱き止めようと手を出したが、間に合わないと目を瞑った次の瞬間、なーぅと足元から声がした。
「ルス!」
服が脱げて、足元に居たのは小さな小さな小虎。
もしかしたら、ミラよりも小さいかも。
「ルス大丈夫?痛いところない?」
ひょいと抱き上げると、離して!とばかりにじたばたされて、痛いところは無さそうだと安堵し俺はそっとルスを地面に置いた。
「マジかぁ?早いだろいくらなんでも……」
ミラが早いと言っていたのに、それよりも早いのかと思いながらもそれも個性だろうとリルを見上げた。
トコトコ歩き出したルス。
人型だと、這うくらいでまだ歩けなかったのが獣型だと四つ足で平気で歩くのが面白い。
トトトッと走り出したかと思うと、辿り着いたのは王妃様の足元だった。
「あら、いらっしゃい」
王妃様は腰を屈めてからルスを抱き上げる。
「ルスだったわね。可愛い……」
頭を撫でられると、喜んでいたルスだったがふと王妃様の隣に立つ王様の腕の中でこちらを見ていた王子さまに、ぺちりと可愛い猫パンチならぬ虎パンチをした。
「わっ!」
慌てたのは俺だったが、パンチを受けた王子さまはキャッキャッと笑い始める。
それに俺はほっと胸を撫で下ろした。
「す、すみません……王子様に怪我はありませんか?」
「大丈夫よ、爪もちゃんとしまえているし、賢いわねルス」
「ミャウッ」
王妃様に誉められて胸を張って見せるルスの額を軽くペチンと叩く。
ダメなことはダメなのだ。
「ルス、ダメ」
悪いことは悪いと短くその場で叱る。これ大切。
ミラはそんなことは無かったが、やっぱりルスは男の子だからかなぁと、性別差別な事を考えてからそれは良くないと頭を振り、それからルスの頭を撫でた。
「ルス大好き……いい子」
頭を撫でると前足を伸ばして抱っこと甘えてくるルスを王妃様から受け取った。
「ルスは早いけれど、うちの子はどうかしらね」
笑顔で王妃様は王子様を見る。
王様の腕の中で小さな欠伸をした王子様。
「きっとタイミングでしょう。ライもまだですし……獣化できなくてもそれも個性で可愛い子供には代わりはありませんから」
リルとライを抱いたレヴィが近づいてくる。
「今日は記念日だな」
「あぁ」
「毎日が記念日になっちゃうね」
「いいんじゃねぇか?」
リルとレヴィが笑うと俺もつられて笑ってしまう。
「じゃあ、早く帰ってお祝いしなきゃならないわねリクト、馬車を手配させるから少し待ってくれる?」
王妃様の言葉に王様が片手を上げて頷いた。
腕の中でもぞもぞするルスは走り出したくてウズウズしているのを何とか宥めて、俺たちは馬車の到着を待つのだった。
リルが聖樹を見上げながら、呟く。
リルの腕の中でもぞもぞ動くルスが次の瞬間すると腕の中から落ちた!危ないと焦って抱き止めようと手を出したが、間に合わないと目を瞑った次の瞬間、なーぅと足元から声がした。
「ルス!」
服が脱げて、足元に居たのは小さな小さな小虎。
もしかしたら、ミラよりも小さいかも。
「ルス大丈夫?痛いところない?」
ひょいと抱き上げると、離して!とばかりにじたばたされて、痛いところは無さそうだと安堵し俺はそっとルスを地面に置いた。
「マジかぁ?早いだろいくらなんでも……」
ミラが早いと言っていたのに、それよりも早いのかと思いながらもそれも個性だろうとリルを見上げた。
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人型だと、這うくらいでまだ歩けなかったのが獣型だと四つ足で平気で歩くのが面白い。
トトトッと走り出したかと思うと、辿り着いたのは王妃様の足元だった。
「あら、いらっしゃい」
王妃様は腰を屈めてからルスを抱き上げる。
「ルスだったわね。可愛い……」
頭を撫でられると、喜んでいたルスだったがふと王妃様の隣に立つ王様の腕の中でこちらを見ていた王子さまに、ぺちりと可愛い猫パンチならぬ虎パンチをした。
「わっ!」
慌てたのは俺だったが、パンチを受けた王子さまはキャッキャッと笑い始める。
それに俺はほっと胸を撫で下ろした。
「す、すみません……王子様に怪我はありませんか?」
「大丈夫よ、爪もちゃんとしまえているし、賢いわねルス」
「ミャウッ」
王妃様に誉められて胸を張って見せるルスの額を軽くペチンと叩く。
ダメなことはダメなのだ。
「ルス、ダメ」
悪いことは悪いと短くその場で叱る。これ大切。
ミラはそんなことは無かったが、やっぱりルスは男の子だからかなぁと、性別差別な事を考えてからそれは良くないと頭を振り、それからルスの頭を撫でた。
「ルス大好き……いい子」
頭を撫でると前足を伸ばして抱っこと甘えてくるルスを王妃様から受け取った。
「ルスは早いけれど、うちの子はどうかしらね」
笑顔で王妃様は王子様を見る。
王様の腕の中で小さな欠伸をした王子様。
「きっとタイミングでしょう。ライもまだですし……獣化できなくてもそれも個性で可愛い子供には代わりはありませんから」
リルとライを抱いたレヴィが近づいてくる。
「今日は記念日だな」
「あぁ」
「毎日が記念日になっちゃうね」
「いいんじゃねぇか?」
リルとレヴィが笑うと俺もつられて笑ってしまう。
「じゃあ、早く帰ってお祝いしなきゃならないわねリクト、馬車を手配させるから少し待ってくれる?」
王妃様の言葉に王様が片手を上げて頷いた。
腕の中でもぞもぞするルスは走り出したくてウズウズしているのを何とか宥めて、俺たちは馬車の到着を待つのだった。
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