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264話
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「リルありがとう」
ブラシを咥えてやってきたリルから受け取ると、俺はその毛並みに櫛を通した。
次第にゴロゴロと喉が鳴ってくるのが可愛いなと思いながら、ふかふかな毛並みを何度も何度もブラッシングしていくと、もっさりと小さなリルができそうなくらい毛が抜けた。
『気持ちいいなぁ』
喉を鳴らしながら呟いたリルに、それは良かったと俺は安堵した。
ブラッシングをさせてもらえるのが嬉しくて、リルの全身をブラッシングしていく。
それが終わると、人型のレヴィが待っていた。
いつの間に来たのだろう?と、思ったけれどきっとリルが戻ってきた時にはもういたのかもしれない。
レヴィが抱いていったルスは、ライと一緒に眠っている。
「レヴィもブラッシングさせて?」
リルのブラシを置くと、レヴィがそっと自分のブラシを差し出してきた。
きっと、リルからブラッシングして貰えるのだと聞いたのだろう。
「えっと、獣化……してくる?」
「いや、此処で」
そう言って脱ぎ始めたレヴィは、惜しげもなく鍛えぬかれた筋肉の身体を晒す。
何度も見てきたけれど、やはり太陽が射し込む部屋でしっかりと見るのは恥ずかしくて、そっと視線を逸らした。
どういう構造でそうなるのか、未だにわからないのだけれどリルもレヴィも人と同じような姿から獣の姿に変化するのだ。
『リクト……』
「あ、うん……こっちに来て?」
のっそりと柵を越えたレヴィがリルの隣に座る。
こうして座れるのはたぶん関節の稼働域なんだろう。
長いマズルを撫でてから、少し硬い毛をブラッシングしていく。
リルの毛もレヴィの毛も種族が違うからか、体質なのか全く違う。
どちらも、触っていて幸せになる。
『眠りそうなくらい気持ちがいい』
「良かった。いいよ寝ても皆でお昼寝しよう?」
リルは先にうとうとしながらも、子供達の事をその長いしっぼで支えてくれている。
『そうだな』
「うん、レヴィの背中をもう少しブラッシングして終わりにするから」
念入りにブラッシングをしてやると、ほうっと息を吐いたレヴィはそのままごろりと横になる。
眠りに入る一歩手前なのだろう。
ちらりと閉じかけた目を開いたが、またゆるゆると瞼が下がっていく。
俺もそのリルとレヴィの間で眠ろうと横になった次の瞬間、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
ブラシを咥えてやってきたリルから受け取ると、俺はその毛並みに櫛を通した。
次第にゴロゴロと喉が鳴ってくるのが可愛いなと思いながら、ふかふかな毛並みを何度も何度もブラッシングしていくと、もっさりと小さなリルができそうなくらい毛が抜けた。
『気持ちいいなぁ』
喉を鳴らしながら呟いたリルに、それは良かったと俺は安堵した。
ブラッシングをさせてもらえるのが嬉しくて、リルの全身をブラッシングしていく。
それが終わると、人型のレヴィが待っていた。
いつの間に来たのだろう?と、思ったけれどきっとリルが戻ってきた時にはもういたのかもしれない。
レヴィが抱いていったルスは、ライと一緒に眠っている。
「レヴィもブラッシングさせて?」
リルのブラシを置くと、レヴィがそっと自分のブラシを差し出してきた。
きっと、リルからブラッシングして貰えるのだと聞いたのだろう。
「えっと、獣化……してくる?」
「いや、此処で」
そう言って脱ぎ始めたレヴィは、惜しげもなく鍛えぬかれた筋肉の身体を晒す。
何度も見てきたけれど、やはり太陽が射し込む部屋でしっかりと見るのは恥ずかしくて、そっと視線を逸らした。
どういう構造でそうなるのか、未だにわからないのだけれどリルもレヴィも人と同じような姿から獣の姿に変化するのだ。
『リクト……』
「あ、うん……こっちに来て?」
のっそりと柵を越えたレヴィがリルの隣に座る。
こうして座れるのはたぶん関節の稼働域なんだろう。
長いマズルを撫でてから、少し硬い毛をブラッシングしていく。
リルの毛もレヴィの毛も種族が違うからか、体質なのか全く違う。
どちらも、触っていて幸せになる。
『眠りそうなくらい気持ちがいい』
「良かった。いいよ寝ても皆でお昼寝しよう?」
リルは先にうとうとしながらも、子供達の事をその長いしっぼで支えてくれている。
『そうだな』
「うん、レヴィの背中をもう少しブラッシングして終わりにするから」
念入りにブラッシングをしてやると、ほうっと息を吐いたレヴィはそのままごろりと横になる。
眠りに入る一歩手前なのだろう。
ちらりと閉じかけた目を開いたが、またゆるゆると瞼が下がっていく。
俺もそのリルとレヴィの間で眠ろうと横になった次の瞬間、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
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