【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

文字の大きさ
上 下
248 / 463

254話

しおりを挟む
「お帰りなさい」
リルたちにチュッチュッとキスをする。
喧嘩をしても行ってきますとお帰りなさいのキスはするという決め事をしているから。
まぁ、喧嘩もあまりしないのだけど、仲直りのきっかけになるかなと決めた事だ。
「ただいま」
「おう」
「ルスとライもね?」
おとなしく眠る二人にもそっとキスをしてから、先にドアを開けてくれていたミトさんたちに続いて中に入った。
「ベッドに寝かせてあげて?」
リルとレヴィにお願いをすると、うとうとする双子をそれぞれのベッドに寝かせてくれた。
お散歩は色々な刺激を与えてくれるのか、双子はすやすやと眠り始めるようだった。
「お父さんやお母さんが、俺の欲しい食材を今度探して来てくれるんだって。そうしたら美味しい甘味作るからね?」
「そうか、楽しみにしている」
レヴィに抱き寄せられてチュッとキスをされた。
案外甘いもの好きなレヴィは嬉しそうだ。
リビングでは、ミラが買ったケーキ等を皿に並べ直してから食べている。
「リクト、今日は俺たちが飯の用意するからさ、ゆっくりしてろって言ったのにしてねぇし?」
「うっ、ご、ごめん」
双子を連れ出すからゆっくりしていろと言われたのにミトさんたちと出掛けてしまった。
「簡単にパスタとかになるし、リクトみたく何種類も作れないが……」
「うん、いいよありがとう。俺、風呂掃除とかベッドメイクとかしてくるよ?」
「いいからゆっくりしてろって、そのくらいやるからさ?だから、風呂も3人で入ろうぜ?」
リルからのお誘いに、ちらりと二人を交互に見ると、リルもレヴィも優しい笑顔を浮かべていた。
「うん、双子が起きなければだね。だから、お腹いっぱいになるまでミルクを飲んで貰ってかな」
俺の意見に、リルもそうだなと頷いた。
「俺が風呂掃除とベッドメイクしてくる」
レヴィがいそいそと出ていくと、リルは大きな鍋に水を入れて火に掛け始めた。
どのくらいのパスタができるのかなとか、何のパスタになるのかななんて楽しみだと思いながら、俺はリビングへと行く。
リルも、見られていたらやりづらいだろうし。
出来上がった時の楽しみがあるからと。
ミラが小さなゼリーを食べるのをミトさんもルーファスさんも、嬉しそうに見ている姿が幸せそうで、俺は双子の眠るベッドに向かう。
あやすための椅子を隣に置いてくれたのはミトさんで、それはリルやレヴィの大きな男性が座っても大丈夫なサイズ。
暗に、育児をしなさいというミトさんの脅迫だったりするのだが、リルもレヴィも充分なイクメンなのだ。
そこに遠慮なく座らせてもらいながら二人の軟らかい髪を撫でる。
小さな手が動くのが可愛らしい。
そう言えばもみじみたいな手だななんて思いながら、俺はゆっくりと双子を見させてもらったのだった。
しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

神獣様の森にて。

しゅ
BL
どこ、ここ.......? 俺は橋本 俊。 残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。 そう。そのはずである。 いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。 7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~

沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。 巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。 予想だにしない事態が起きてしまう 巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。 ”召喚された美青年リーマン”  ”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”  じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”? 名前のない脇役にも居場所はあるのか。 捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。 「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」 ーーーーーー・ーーーーーー 小説家になろう!でも更新中! 早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!

処理中です...