【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

252話

王宮から自宅に帰ってくると、何故か双子が機嫌が悪い。
ちょっとしたことでぐずるのだ。
それに、二人でぐずりはじめると、最後には大合唱。
さすがの無口なレヴィでさえ顔をしかめるのだ。
だけどそこは、イクメンの二人。俺に丸投げすることは無くちゃんと寝かしつけ等も手伝ってくれる。
むしろ、俺よりも上手いくらいなのだ。

「ちょっと散歩行くかぁ、なぁレヴィ」
「そうだな」

やっと静かになりかけた二人をあやしながら眠らせようとも、リルとレヴィは外に連れ出そうとする。

「リクトはゆっくりしてろよ、少し疲れただろ？」
「お茶でも飲みながら菓子食べてゆっくりな？」
「え、でも二人だって大変……」
「冒険者の体力なめるな？何なら帰ってきてからイチャイチャだってできるぜ？」

耳元に吹き込まれたイケボ。
腰、砕けるから！と、俺はリルを睨むとははっと笑われた。

「じゃあ、少し行ってくるけど何かついでに買ってくるか？」
「大丈夫、気をつけて行ってきて？」
「おう」

リルとレヴィが玄関を出ていくのを見送ってから俺は甘えてソファーでゆっくりさせてもらう。
流石に夜泣きが酷い訳ではないけれど、ミラの事を聞いていると男の子だからかなぁと思う所もある。
自分もこうやって育てられたのかも知れないななんて思うと少しだけ考えさせられる事もあるが、それでも幸せなのだからいいかと思えてしまう。
甘いミルクティーを飲み干してから、まだ帰ってこない双子たちが心配になりながらおやつでも作ろうかと腰を上げた。
皆が好きなプリン。
カボチャを貰ったのでカボチャプリンも作ろうかと思いながら冷蔵庫を開くと、少し牛乳が足りない。
買いに行ってこようと財布を手にしてからミトさんに声を掛けた。

「牛乳買ってきます」
「あら、どうしたの？」
「プリン作ろうかなって。玉子もありますし……できたら今日作ってしまおうかなって」
「いいわね！アタシも大好きだからたくさん食べたいわ」
「ミトさん生クリームってありますかね、あればカボチャのプリンも作りたくて」
「生クリーム？」

首を傾げたミトさんだったが、スイーツショップに行きましょうと結局ルーファスさんとミラと四人で出かけることになってしまったのだ。