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235話
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「ふぁ……」
欠伸を噛み殺しながら、俺は朝食を作る。
残っていたスープに野菜やソーセージをたっぷりと足してから、グツグツ煮込みミルクを足す。
即席のシチューだ。
それと、オムレツはプレーン、チーズ、キノコと三種類を用意した。
小さめにして中までしっかりと、火を通しているから冷めても大丈夫だろう。
それに、普通のバゲットとガーリックバゲットを用意している。
足りるかなと不安になるが、足りなかったらまた作ればいいかと火を止めキッチンを出た。
ふわりと香るシチューの優しい香りにぐうっとお腹が鳴った。
「おはよう、リル……レヴィ?食事ができたけどもう少し眠る?」
いつもの時間になっても起きてこないふたりに部屋に入ってベッドに寄り声を掛けると、ぐいっと寝台に引き込まれた。
「うわっ!ちょっ!!」
こんな悪戯をするのはリル。
「もうっ!危ないだろ?」
「はは、悪ぃ」
チュッとおはようのキスをして、離して貰う。
「レヴィも起きてる?まだ寝るなら大丈夫だけど……」
「起きる」
レヴィがまだ眠そうに目を擦って上半身を起こしたが、リルはまだ寝台から起きられていない。
昨夜は、あのあとほぼ三時間おきにルスとライのミルクやりで眠れなかったのだ。
ふたりで同じサイクルならいいが、少しずつずれているのだ。
「ミラとか泣き声は大丈夫だったかなぁ」
かなりの声で泣いたふたりを必死にあやしたりミルクを飲ませたりして面倒をみたため、俺たちは慣れない行為のためしっかりとは眠れていなかった。
「大丈夫だ、この部屋は防音にしてもらっているから、寝室の中の音は外部には漏れないだろう」
「あ、でもそうしたら俺たちが部屋の中にいないときに子供たちが此処で泣いたら聞こえないんだよな。それも心配だね……」
俺たちの子供だから眠れないのは仕方ないし可愛いけど、同じ屋根の下にいるミラはまだ子供なのだから心配だ。
「お母さんたちとか、どうしたのかなぁ話を聞いてみよう」
先人の知恵ではないが、わからなければ頼れる相手がいるのはありがたい。
「さて、ふたりとも朝食にしようかルスとライは一緒に来るかな?こんなときにベビーカーがあるといいのにね」
ふとした呟きにリルとレヴィが食い付くのだった。
欠伸を噛み殺しながら、俺は朝食を作る。
残っていたスープに野菜やソーセージをたっぷりと足してから、グツグツ煮込みミルクを足す。
即席のシチューだ。
それと、オムレツはプレーン、チーズ、キノコと三種類を用意した。
小さめにして中までしっかりと、火を通しているから冷めても大丈夫だろう。
それに、普通のバゲットとガーリックバゲットを用意している。
足りるかなと不安になるが、足りなかったらまた作ればいいかと火を止めキッチンを出た。
ふわりと香るシチューの優しい香りにぐうっとお腹が鳴った。
「おはよう、リル……レヴィ?食事ができたけどもう少し眠る?」
いつもの時間になっても起きてこないふたりに部屋に入ってベッドに寄り声を掛けると、ぐいっと寝台に引き込まれた。
「うわっ!ちょっ!!」
こんな悪戯をするのはリル。
「もうっ!危ないだろ?」
「はは、悪ぃ」
チュッとおはようのキスをして、離して貰う。
「レヴィも起きてる?まだ寝るなら大丈夫だけど……」
「起きる」
レヴィがまだ眠そうに目を擦って上半身を起こしたが、リルはまだ寝台から起きられていない。
昨夜は、あのあとほぼ三時間おきにルスとライのミルクやりで眠れなかったのだ。
ふたりで同じサイクルならいいが、少しずつずれているのだ。
「ミラとか泣き声は大丈夫だったかなぁ」
かなりの声で泣いたふたりを必死にあやしたりミルクを飲ませたりして面倒をみたため、俺たちは慣れない行為のためしっかりとは眠れていなかった。
「大丈夫だ、この部屋は防音にしてもらっているから、寝室の中の音は外部には漏れないだろう」
「あ、でもそうしたら俺たちが部屋の中にいないときに子供たちが此処で泣いたら聞こえないんだよな。それも心配だね……」
俺たちの子供だから眠れないのは仕方ないし可愛いけど、同じ屋根の下にいるミラはまだ子供なのだから心配だ。
「お母さんたちとか、どうしたのかなぁ話を聞いてみよう」
先人の知恵ではないが、わからなければ頼れる相手がいるのはありがたい。
「さて、ふたりとも朝食にしようかルスとライは一緒に来るかな?こんなときにベビーカーがあるといいのにね」
ふとした呟きにリルとレヴィが食い付くのだった。
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