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228話

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「しっかりなさいな、リクトちゃん……おめでとう」
「お母さん」
そっとミトさんが離してくれると俺はゆっくりリルとレヴィに近付いた。
ふたりの腕の中で落ち着いたように眠る子供たちを見て安堵する。
「良かった……元気そう」
ホッと息を吐いた隣でレヴィが静かに涙を落としていた。
「レヴィ」
それに気付いたリルがそっとレヴィを抱き締める。
「良かったな、お前の子だよ」
トントンとレヴィの背中を叩くと、レヴィは肩を震わせた。
「そうよね、レヴィはあたしたちの子供だって言っても血は繋がっていないのを気にしていたのよね。絶対に言わなかったけど……だから、ありがとうリクトちゃん。やっとあの子にも目に見える繋がりができたのね」
ミトさんの言葉に俺は動けなくなる。
そうだった。
家族のようにしてはいたけれど、レヴィの親は誰かわからない。もしかしたらミトさんとルーファスさんはわかっているのかもしれないけれど。
「俺、リルとレヴィも幸せにしたい」
子供たちを抱く伴侶たちをそっと横から抱き締めた。
「リル、レヴィありがとう大丈夫なら帰ろうか。1人分しか持ってきてないから風邪ひいちゃうと困るよね」
流石に双子だとは思わなかったため、用意はしてきていない。
「おう、そうだなレヴィ抱いてくか?」
「いいのか?」
「タオルあるから包んでやれよ?」
リルが器用にバスケットからタオルを取り出しレヴィに渡す。
レヴィは大切そうに優しく優しく子供を包んでやっていた。
「リルはどうする?」
「あー……俺も抱いてくかな」
そう言いながらリルはおもむろに自分のシャツを脱いで包んでやる。
既にふたりとも優しいパパだ。
「じゃあ行こうか。お父さんもお母さんもありがとうございます」
「あぁ、じゃあ歩くか」
ルーファスさんの促しに皆で帰路につく。
長いような短いような距離をゆっくりとした足取りで帰ると玄関を入った。
「あらやだ、この子たちふたりとも珍しい毛並みじゃない?」
明るいところで見た子供たちは、確かに珍しい毛色をしていた。
どちらも男の子であったが、虎の子は縞の黒く見える部分が茶色やオレンジに見え、全体的に色素が薄い。
ミラのようにホワイトタイガーではないのだが、ミトさんやリルとは少し違って見えた。
熊の子はレヴィは赤茶色をしているが、それよりはもっと黒く一筋白くメッシュのように色が抜けている。
まだ、子供で産まれたばかりだからはっきりとはわからないのだけれど。
「こんな毛色の子いるのかなぁ」
珍しい子でも、それはうちの子なのだ。
可愛くて仕方ない。
リルも、レヴィも離したくないと言うようにふたりを抱いている。
「名前は決まったの?」
ミトさんに言われて、一度決めた名前も揺らいでしまうのだった。
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