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223話

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「レヴィも、お疲れ様。お帰りなさい」
首の辺りにぎゅっと抱きつくと、その長いマズルにチュッとキスをした。
『グルッ、ただいま……』
寡黙なレヴィが少し照れたように目を伏せるとペロリと顔を舌で舐められた。
「うわっ!レヴィ」
『ふふ、可愛いな』
「もう、ほらブラッシングするからね?」
ばっぐの中に常備しているレヴィ用のブラシを取り出すと、その毛並みに沿ってブラシを入れていく。
『気持ちいいいな』
呟いたレヴィの丸い尻尾がゆっくりと動いている。
リルのように大振りをしないし、熊は表情がわかりにくいと言われているがちゃんと見ていればわかるのだ。
丸い耳も小刻みに震えている。
「良かった、触られたら嫌だとかあったら教えてね?」
いつものように顔のまわりを撫でて軽く解かしてから、頭の天辺から首や背中をとかすとレヴィの頭がことりと床に降りた。
だいぶ疲れているのだろう。
魔獣討伐がどのくらい大変かは経験したことがないからわからない。
魔獣自体もあまり見たことがないから余計なのだろうけれど。
「お疲れ様」
ゆっくりと背中側にブラシをいれると、俺はそのままレヴィの意識が浮上するのを待つ。
お腹側もブラシを入れたいが眠ったままのレヴィにそんなことをしたら嫌がるだろうから。
そもそも、この獣化した身体で無防備に眠るのは信頼の証だろう。
この形になると、嗅覚聴覚のレベルが上がるらしい。
まだ、幼いミラでさえルーファスさんやミトさんが居ないときは眠りが浅くなっているらしい。
今は人型だからソファーで丸くなっているが。
「レヴィ、帰ってきてくれてありがとう。寂しかった……」
そのもふもふした頬に顔をつけて呟くと、レヴィの身体が小さく震えた。
『……リクト、何でそんなに可愛いんだ』
「えっ!」
レヴィの低く唸る声にぱっと離れると、レヴィの瞳に見詰められていた。
「起きてたの!?」
『少し前にな……リクト、愛しているよ』
すりすりっと頬擦りされて聞かれていたのかと俺は真っ赤になる。
「もう!お腹ブラッシングするから仰向けになって!!」
誤魔化すようにレヴィの顔を押しやると、残念そうに笑ったレヴィはそれでもごろんとお腹を出した。
背中に比べると少し軟らかな腹部の毛並み地ブラシを入れる。
わしわしと抜ける毛を取りながらも、にやにやして見えるレヴィの表情はやはり好きなのだった。
「もう、あまり見ないで!」
最後にはレヴィの腹部に顔を埋めることになるのだが。
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