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220話

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ミラを膝にのせて、行儀が悪いのはわかっているが聖樹の庭に直座りをしていた。
綺麗に整えられた芝は庭師さんが座るくらいなら大丈夫だと言ってくれた場所。
ミラとお腹いっぱいになるまでサンドイッチやフライドチキン等を食べてから、日差しの気持ちよさに勝てずに木陰でごろりと横になる。
ミラも眠いのか腕枕をしながら隣で丸くなった。
「りぅ、やすみ…さ」
もにょもにょと小さな声で口ごもるミラの頭を撫でて俺はおやすみと囁いた。
空は良く晴れて、暖かい日差しの気持ちいい時間だった。
俺もうとうとしてしまったらしく、何か揺さぶられる感覚に目を覚ます。
「ん……何?」
気持ち良く寝ているのに……。
身動ぎ目を開けると、其処には黄色と茶のもふもふ。
意識が浮上する前に左右からベロンと舐められてひゃっと一気に目が覚めた。
「リル、レヴィ?」
名前を呼ぶとグルグルッと喉を鳴らす。
「本当に?お帰りなさい早かった……ね」
俺はぎゅっとふたりの首に抱き付いた。
『おう、おふくろからサンドイッチ貰ったら、いてもたってもいられなくなってな食わずに駆けてきた』
『リクトは食ったか?』
「うん、俺はミラと食事したけどって、ミラは!?」
『そこいるぜ?』
リルが顎で指したのはレヴィの背中。
平らな広い背中にはちょこんとミラが跨がっていて、ちょっとだけ主人公が鉞を担いで熊に跨がる昔話を思い出した。
「ミラ、レヴィの背中は大きくていいよね?」
「うん!」
きゃっきゃっと笑うミラに困った表情を浮かべたレヴィ。
あれ、俺はレヴィの表情がわかる?
熊なのに。
「でも、落ちたら危ないしふたりはご飯もまだだろうから、ミラは俺とおやつにしようか。ふたりとも着替えてくれば?」
服はあるのだろうかと気にするも、リルの背中には斜めにポーチが掛けられていた。
「リル、外すね?」
『おう』
パチンと金具を外してポーチが土に落ちる前に取って渡してやる前にリルはいきなり獣化を解いた。
「うわっ!リルダメだってば」
羞恥心がないのだろうかと慌てて目を逸らすと、リルは悪い悪いと笑いながらもポーチの中から服を取り出す。
「ほらよ、レヴィ」
『悪い』
レヴィの背中に乗るミラを抱き上げると、少しホッとしたのかそこでレヴィも獣化を解いた。
もう!何でふたりともその筋肉を惜しげもなく晒すんだよ!
他に見られないかとひやひやしつつ、ズボンを履いたふたりに少し見惚れた。
少し力を入れてしまったのか、腕の中でミラが窮屈そうにもぞりと動いた。
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