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191話
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「ごちそうさん、俺もちょっと行ってくるわ」
リルが立ち上がりレヴィにカップを渡す。
それを受け取ったレヴィが何やらゆっくりと頷いた。
こんな時は俺は何も言わないでおく。
「お母さん、何かやることはありますか?」
「大丈夫よ、ありがとミラを見ていてくれればいいわ」
カチャカチャとミトさんが食器を洗う音がする。
ミラはおなかいっばいなのか、へそ天で寝始めた。
女の子なのにと笑いながら、そっとお腹にタオルを掛けてやりながらも、やはりルーファスさんが気になってしまう。暫くしてミトさんが洗い物を済ませると手を拭きながら戻ってくる。
「やぁね、もう聖樹の花は咲いたのにリクトちゃんを借りたってもうひとつ花が咲く訳じゃないじゃないねぇ?」
ミトさんの言葉に俺はミラを撫でていた手を止めた。
花を咲かせたい人が来ている?
それは、子供が欲しいからだろうか……それとも。
「行っては駄目よリクトちゃん」
「でも、困っているのでは?」
「本当に困っていれば、ダーリンが判断してくれるわよ」
大丈夫大丈夫と笑うミトさんは俺の頭を撫でる。
「ふふ、リクトちゃんは優しすぎるわ。お帰りなさいダーリン」
ミトさんの視線を追うと、入口にはルーファスさんとリルがいた。
「丁重にお帰りいただいたぜ?」
「ミト、悪いが冷たい飲み物を」
「はぁい」
ミトさんが動いたのを見て、俺も立ち上がろうとすると、ミラをお願いと頼まれ、その代わりにレヴィに来なさいと手招きをする。
ゆっくりとレヴィが動いてミトさんとふたりキッチンに入ると、かなりぎゅうぎゅうな感じに少し笑みが零れた。
ミトさんが、全員分のアイスティーを作るとレヴィが運ぶ。
俺にも用意してくれだようだった。
全員がテーブルにつくと、それぞれがアイスティーを口に含み、グラスを置いた後にルーファスさんが口を開いた。
「まず、来たのはそれぞれの公爵家の使いだな……最もらしい事を口にしてはいたが、自分の家から王が出たらいいと言うのがまるわかりだった、流石に王宮に既に花が咲いたとは言えないから言葉を濁したが、何処から話が漏れたのか……リクトくんの事も既に知っていた」
盛大な溜め息を履いてルーファスさんが天井を見上げる。
「取り敢えずリクトくんとミラは絶対にひとりにならないようにな。何をされるかわからない……」
「取り敢えず誰かが一緒にはいるようにしなきゃならないわねぇ。ゴツイふたりはどうにかしようなんて思わないけど、リクトちゃんはあぶなっかしいもの。飴をあげるからって知らない人にはついていっちゃ駄目よ?」
ミトさんの明るい話し声に、少し落ちこんでしまった俺は浮上した。
リルが立ち上がりレヴィにカップを渡す。
それを受け取ったレヴィが何やらゆっくりと頷いた。
こんな時は俺は何も言わないでおく。
「お母さん、何かやることはありますか?」
「大丈夫よ、ありがとミラを見ていてくれればいいわ」
カチャカチャとミトさんが食器を洗う音がする。
ミラはおなかいっばいなのか、へそ天で寝始めた。
女の子なのにと笑いながら、そっとお腹にタオルを掛けてやりながらも、やはりルーファスさんが気になってしまう。暫くしてミトさんが洗い物を済ませると手を拭きながら戻ってくる。
「やぁね、もう聖樹の花は咲いたのにリクトちゃんを借りたってもうひとつ花が咲く訳じゃないじゃないねぇ?」
ミトさんの言葉に俺はミラを撫でていた手を止めた。
花を咲かせたい人が来ている?
それは、子供が欲しいからだろうか……それとも。
「行っては駄目よリクトちゃん」
「でも、困っているのでは?」
「本当に困っていれば、ダーリンが判断してくれるわよ」
大丈夫大丈夫と笑うミトさんは俺の頭を撫でる。
「ふふ、リクトちゃんは優しすぎるわ。お帰りなさいダーリン」
ミトさんの視線を追うと、入口にはルーファスさんとリルがいた。
「丁重にお帰りいただいたぜ?」
「ミト、悪いが冷たい飲み物を」
「はぁい」
ミトさんが動いたのを見て、俺も立ち上がろうとすると、ミラをお願いと頼まれ、その代わりにレヴィに来なさいと手招きをする。
ゆっくりとレヴィが動いてミトさんとふたりキッチンに入ると、かなりぎゅうぎゅうな感じに少し笑みが零れた。
ミトさんが、全員分のアイスティーを作るとレヴィが運ぶ。
俺にも用意してくれだようだった。
全員がテーブルにつくと、それぞれがアイスティーを口に含み、グラスを置いた後にルーファスさんが口を開いた。
「まず、来たのはそれぞれの公爵家の使いだな……最もらしい事を口にしてはいたが、自分の家から王が出たらいいと言うのがまるわかりだった、流石に王宮に既に花が咲いたとは言えないから言葉を濁したが、何処から話が漏れたのか……リクトくんの事も既に知っていた」
盛大な溜め息を履いてルーファスさんが天井を見上げる。
「取り敢えずリクトくんとミラは絶対にひとりにならないようにな。何をされるかわからない……」
「取り敢えず誰かが一緒にはいるようにしなきゃならないわねぇ。ゴツイふたりはどうにかしようなんて思わないけど、リクトちゃんはあぶなっかしいもの。飴をあげるからって知らない人にはついていっちゃ駄目よ?」
ミトさんの明るい話し声に、少し落ちこんでしまった俺は浮上した。
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