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187話
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俺が幹に触れたあと、ミラがちょこんと前脚で幹に触れると不思議な事に枝についていた葉がさわさわと揺れた。
それはまるで何かを語りかけるように。
ミラもクルルと喉を鳴らした。
「あら、これが聖樹の花なのね?」
後からやって来たミトさんが声を上げる。
ハンカチを握り締めて涙ぐんでいるミトさんをルーファスさんがそっと抱き寄せていた。
「ミラが聖樹と話ができるのか、ミラが触れたら聖樹が元気になったのですよ」
凄いねとミラに喋りかけると、もっと誉めてと擦り寄るミラが愛らしい。
俺の腕の中のミラを陛下夫妻が撫でてくる。
「お義母さん、ミラを」
「あらぁ、ミラはリクトちゃんが大好きだからあたしが抱いたら嫌々するわよ?」
なんて笑いながらもミトさんはミラを引き取った。
俺はもう一度ミラの頭を撫でてから、そっと聖樹に触れる。
枝先の花が何かを訴えるように花びらを揺らす。
それとは別に1枚何処かの葉っぱが落ちてくる。
それを両手で受け止めると、ざわざわと他の葉が音を立てた。
「預かるね、できればもう1枚貰える?ミラにも持っていて貰うようにするし、王様や王妃様にも持って貰いたいし……どうかなぁ」
そう語りかけると、3枚葉っぱが更に落ちてくる。
そのうちに1枚をミトさんに渡し、2枚を皇后陛下に手渡す。
何か袋に入れて身に付けて貰えるように。
少しでも聖樹が何処かに触れていて欲しかった。
「ありがとう、ミトさん何か袋を作ってミラの首から下げたりとかできますか?」
「やってみるわ」
「私も、陛下と作ってみるわ。リクトありがとう…貴方とミラのおかげよ。本当にありがとう」
繰り返し頭を下げる王妃様を抱き寄せた王様は、宥めるように背中を叩く。
互いが互いを愛する姿が素敵だなと思っていると、俺の腰をリルとレヴィが抱き寄せてくれる。
優しい腕とぬくもりにほっとした。
「さて、あたしたちもそろそろおいとましましょうか」
「馬車を手配する」
「いつでも来てね?」
王様と王妃様に見送られて俺たちは帰路につく。
早くゆっくりとしたい気持ちが逸りながらも、外は夕闇が迫り所々明かりが灯る時刻になっていた。
☆☆☆☆☆☆☆
このあと、バレンタインのSSを挟みます。
上手く本編と混ぜられたらいいなぁと思っているのですがどうなるかなぁ。
配信は直前になるかもしれません。
それはまるで何かを語りかけるように。
ミラもクルルと喉を鳴らした。
「あら、これが聖樹の花なのね?」
後からやって来たミトさんが声を上げる。
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「ミラが聖樹と話ができるのか、ミラが触れたら聖樹が元気になったのですよ」
凄いねとミラに喋りかけると、もっと誉めてと擦り寄るミラが愛らしい。
俺の腕の中のミラを陛下夫妻が撫でてくる。
「お義母さん、ミラを」
「あらぁ、ミラはリクトちゃんが大好きだからあたしが抱いたら嫌々するわよ?」
なんて笑いながらもミトさんはミラを引き取った。
俺はもう一度ミラの頭を撫でてから、そっと聖樹に触れる。
枝先の花が何かを訴えるように花びらを揺らす。
それとは別に1枚何処かの葉っぱが落ちてくる。
それを両手で受け止めると、ざわざわと他の葉が音を立てた。
「預かるね、できればもう1枚貰える?ミラにも持っていて貰うようにするし、王様や王妃様にも持って貰いたいし……どうかなぁ」
そう語りかけると、3枚葉っぱが更に落ちてくる。
そのうちに1枚をミトさんに渡し、2枚を皇后陛下に手渡す。
何か袋に入れて身に付けて貰えるように。
少しでも聖樹が何処かに触れていて欲しかった。
「ありがとう、ミトさん何か袋を作ってミラの首から下げたりとかできますか?」
「やってみるわ」
「私も、陛下と作ってみるわ。リクトありがとう…貴方とミラのおかげよ。本当にありがとう」
繰り返し頭を下げる王妃様を抱き寄せた王様は、宥めるように背中を叩く。
互いが互いを愛する姿が素敵だなと思っていると、俺の腰をリルとレヴィが抱き寄せてくれる。
優しい腕とぬくもりにほっとした。
「さて、あたしたちもそろそろおいとましましょうか」
「馬車を手配する」
「いつでも来てね?」
王様と王妃様に見送られて俺たちは帰路につく。
早くゆっくりとしたい気持ちが逸りながらも、外は夕闇が迫り所々明かりが灯る時刻になっていた。
☆☆☆☆☆☆☆
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上手く本編と混ぜられたらいいなぁと思っているのですがどうなるかなぁ。
配信は直前になるかもしれません。
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