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166話

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「ぁ、んん……っ」

割り開かれる身体。
何度も繰り返される熱情を受け入れて明け方に漸く眠りについた。

「リクト、そろそろ起きるか?」

優しい声に目を覚ますと、其処にはレヴィがいた。

「レヴィ……」

名前を呼ぶも、がらがらになった喉。

「リルが呼びに来てくれてな?帰ってきた」
「お帰り…なさい、リルは?」
「おう、こっちにいるぜ?」

レヴィと反対の方から声がして、そちらを見るとレヴィが麦酒を飲んでいた。
お酒の香りと、ソーセージだろうか、焼けた匂いにくうっとお腹が鳴った。

「リル、一口ちょうだい?」

レヴィに抱き上げられてソファーに向かうと、其処にはふたり分のグラスしかない。

「俺も少しだけ飲みたい」
「麦酒だぞ?」
「うん」

リルが差し出してきたグラスを受けとると、ずしりと重かった。

「リクト、パンでも焼くか?」
「うん、お願いしていいかな?」
「行ってくる」

レヴィが、俺の頭を撫でて軽く頬にキスをすると部屋から出ていった。

「ごめんリル……ありがとう」

レヴィを連れに行ってくれたこと。

「リクトが俺とレヴィを受け入れてくれたから、レヴィの位置が直ぐにわかったぜ?」

リルが自分の鼻を指差してにやりと笑う。
匂いでって事らしい。
そうなんだ……。

「ほら、ソーセージ」

フォークに刺さったソーセージを差し出されて、俺はぱくりと食い付いた。
焼かれた香ばしい風味が口に広がる。
なにこれ、凄く美味しいけど何の肉かは聞いちゃダメだと思う。
ソーセージを飲み込むと、麦酒を飲む。
普段飲まないお酒が喉を落ちていく感覚は何故か懐かしかった。

「美味しいけど、麦酒は冷やした方が美味しいと思う」

グラスを返すと、リルが首をかしげた。

「ちょっと氷を取ってくる」
「リル、グラスを濡らしてから冷凍庫の中に入れておいてもいいよ?」
「お、おう!やってみるな」

慌てた様子で出ていくリルと同時にレヴィが戻ってきた。

「うわ、美味しそう」

皿の上にはサンドイッチ。ハムと野菜だけのシンプルなものだったが、それでも今の俺にはご馳走だ。

「レヴィは食べない?」
「俺はリルと先に済ませたから、多ければ残せ」
「ありがとう!」

皿を貰ってサンドイッチにかぶりつくと、小麦の強い香りと、柔らかなハムの塩気、野菜のシャキシャキの食感がバランス良い。
チーズの風味が後から追いかけてきてびっくりした。

「リルありがとう、凄く美味しいけど……」
「……悪い、買ってきた」
「でも、温かいから焼いてくれたんたろ?美味しいよ」

こんな気づかいはレヴィらしいなと笑いながら、リルか戻ってくるのを待ちつつ、サンドイッチはペロリと俺のお腹に入ったのだった。

☆☆☆☆☆☆☆

お待たせしました。
1ヶ月程空いてしまって申し訳ありませんでした。
完全復活とはなっていませんが、少しずつ勘を取り戻せたらいいなと思っています。
すでに、リクトのしゃべり方を忘れているのですが。
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