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163話
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「俺は少し出てくるよ、今夜は戻らないからふたりでゆっくりしろ」
ご馳走さまとレヴィが立ち上がる。
「レヴィ?」
「まったく……気にすんなって……」
苦笑を浮かべたリルに、あの時の事なのだと思い出した。
リルとの時間も取らなきゃならないのはわかっている。
「レヴィ、ごめんね?」
「いや、明日の昼くらいには帰ってくる」
そう言うと、食器を下げてレヴィは家を出ていった。
何処に泊まるのとは聞けない。
聞いてもどうにもならないからだ。
花街に行くのだろうか……レヴィに限ってそんなことはないと思いたいが、それを止める資格は自分にはないのだから。
腰に回されたリルの手に小さく力が入る。
リルを見上げると、一瞬険しかった表情が俺の視線と交わるとにこりと笑みに変わった。
「こんなじゃ、リクトも俺とするのは気まずいよなぁ?」
「え?」
「俺には嬉しいことだけどな……リクトが気になって集中できねぇなら今夜は一緒に寝るだけにするか、レヴィを呼び戻すか、どっちがいい?」
どっちがって、俺に選ぶ権利は無いのに、リルはそれでいいのだろうか。
俺は頭を振る。
「ううん、リルが嫌でなければしよう?」
そうすれば、レヴィの負い目も無くなるし、俺もリルは好きだ。
「いいのか?」
「うん……でも、優しくして欲しい」
「いつも紳士だろうが」
「えぇ?」
互いに顔を見合わせてクスクス笑うとそっと唇を触れ合わせる。
リルに抱き上げられて運ばれた先は風呂。
「先に入ってからにしようか」
「うん……」
ぎゅっと抱き付くようにして運んで貰うと下ろしてもらった先は椅子。
脱がして貰うと、リルも全裸になる。
背中で揺れる太い尻尾。
「リル……好きだよ」
「俺もだ」
綺麗な筋肉はしなやかでバランスが良い。
長い足。
可愛い耳と尻尾。
地球ではイケメンと呼ばれる容姿。
「髪も洗おうか。時間はゆっくりあるからね?」
手を繋いで浴室に入る。
たっぷりと張られたお湯は新しい。
リルとレヴィが浴槽を洗って、こうなることを見越してしてくれたのだろう。
「そうだな、リクトは俺が洗ってやるよ」
ご馳走さまとレヴィが立ち上がる。
「レヴィ?」
「まったく……気にすんなって……」
苦笑を浮かべたリルに、あの時の事なのだと思い出した。
リルとの時間も取らなきゃならないのはわかっている。
「レヴィ、ごめんね?」
「いや、明日の昼くらいには帰ってくる」
そう言うと、食器を下げてレヴィは家を出ていった。
何処に泊まるのとは聞けない。
聞いてもどうにもならないからだ。
花街に行くのだろうか……レヴィに限ってそんなことはないと思いたいが、それを止める資格は自分にはないのだから。
腰に回されたリルの手に小さく力が入る。
リルを見上げると、一瞬険しかった表情が俺の視線と交わるとにこりと笑みに変わった。
「こんなじゃ、リクトも俺とするのは気まずいよなぁ?」
「え?」
「俺には嬉しいことだけどな……リクトが気になって集中できねぇなら今夜は一緒に寝るだけにするか、レヴィを呼び戻すか、どっちがいい?」
どっちがって、俺に選ぶ権利は無いのに、リルはそれでいいのだろうか。
俺は頭を振る。
「ううん、リルが嫌でなければしよう?」
そうすれば、レヴィの負い目も無くなるし、俺もリルは好きだ。
「いいのか?」
「うん……でも、優しくして欲しい」
「いつも紳士だろうが」
「えぇ?」
互いに顔を見合わせてクスクス笑うとそっと唇を触れ合わせる。
リルに抱き上げられて運ばれた先は風呂。
「先に入ってからにしようか」
「うん……」
ぎゅっと抱き付くようにして運んで貰うと下ろしてもらった先は椅子。
脱がして貰うと、リルも全裸になる。
背中で揺れる太い尻尾。
「リル……好きだよ」
「俺もだ」
綺麗な筋肉はしなやかでバランスが良い。
長い足。
可愛い耳と尻尾。
地球ではイケメンと呼ばれる容姿。
「髪も洗おうか。時間はゆっくりあるからね?」
手を繋いで浴室に入る。
たっぷりと張られたお湯は新しい。
リルとレヴィが浴槽を洗って、こうなることを見越してしてくれたのだろう。
「そうだな、リクトは俺が洗ってやるよ」
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