【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

159話

プリンを皆で食べ終えるとマスターは何度も頭を下げて帰っていく。
それを見送り俺は昼食の支度に取りかかる。
ミトさんから教わったレシピを再現するのを頑張るのだ。
それに合わせて俺が作れるレシピをミトさんに教える。
今日は炊き込みご飯だ。
パエリヤタイプと二種類作る。
パエリヤの時はタイ米みたいなぱらりとしたお米がいいため、ルーファスさんに聞いたらあるとのこと。
本当にルーファスさん達には頭が上がらない。
日本食が食べられるのは本当に嬉しい。
鍋とフライパンそれぞれを使って炊き上げるのと、皆大好き唐揚げ。
唐揚げなら毎日食べたいと言う皆のお願いのために必死になって揚げている。
ミトさんの台所は広くて大きいから凄く使いやすくて、いいなぁと思う。
調味料も様々な物が揃っていて、味見をさせてもらいながら欲しいものがあるとお願いをする。
それをミトさんがめもしてくれて、最後はルーファスさんに渡してくれた。
ミトさんの具材たっぷりスープがいい匂いをさせている。
サラダとドレッシングはミトさんが手早く作ってくれて、今日の唐揚げは盛り渡し。
数を同じにしてから、ディップソースも作って食べ方はお好みで。
もちろん。そのまま食べても美味しいような味付けにはしてあるけれど。
ミラにらミルクかなと思ったら、冷ませば唐揚げも大丈夫よとミトさんに言われて驚いた。
既に小さな歯はあるらしい。
凄いね獣人。
軟らかいお肉ならモグモグできるのだと言われて後で可愛いミラの歯を見せて貰おうと思う。

俺は油淋鶏風にしたかったから、さっぱりしたタレを作っておく。
それ以外にマヨネーズやスイートチリソースも作っておく。
最後の１個をバットに上げてから、並べた皿に野菜を敷いて同じ数だけ唐揚げを並べると、ミトさんが運んでくれ、パエリヤはフライパンごと、炊き込みご飯はお握りにしてテーブルに並べた。
したくが終わると、ぞろぞろとやって来たルーファスさん達が自分の椅子に座る。
今日はミラはレヴィの腕の中だが、俺を見ると前足を伸ばして抱っこをねだる。
もう、支度は終わっているから大丈夫だとレヴィからミラを受け取って椅子に座る。
ミラには冷めた唐揚げだ。
熱いと火傷をしてしまうかもしれないから。
ミトさんが全員分のお茶を配ってくれて、席につくと食べ始めた。
無言の食卓。
皿ごとに山にした唐揚げやパエリヤが減っていく。
ミラも、唐揚げがお気に召したのか、もぎゅもぎゅと食べている。

「ミラ、美味しい？」

「きゃうっ」

すりっすりっと擦り寄るミラを撫でながら俺も食事を楽しむのだった。