【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

文字の大きさ
上 下
150 / 462

156話

しおりを挟む
「美味しい」
皆でわいわいとしながら軽食を取る。
と言っても四人は俺の通常の食事と同じくらいの量を食べる。
獣人がいっぱい食べるのかなぁ。

沢山食べてくれるのは嬉しいし、リル以外は甘いものは好きみたいだ。
甘味のレパートリーも増やそうかなと思っているところでミトさんがチラチラと俺を見てくる。

「リクトちゃん、プリンのレシピを教えてくれないかしら…あれ、凄く美味しくて…でも、似たように作っても同じにならないのよね」
「美味しいですよね。玉子とお砂糖があれば出来ますから明日にでも一緒に作りましょう?」
「嬉しいわ、是非!」

プリンの単語にリルとレヴィの耳がピクピク動いた。
ふたりとも好きだしね。
そんな会話をしていると、店のオーナーなのか小柄なと言っても俺と同じくらいのこちらも美形な猿の獣人さんが近寄ってくる。

「ルーファス様、ミト様、ご挨拶させていただきます」

きちんとしたシャツにベスト、ズボン。
少し大きめな丸い耳がヒトと似た位置についている。

「あら、マスターこんにちは、ごめんなさいね家族でお邪魔させて貰っていて……煩かったかしら……」

ミトさんが、軽く頭を下げる。

「いえ、来ていただけて嬉しいです」

笑む表情はかなり綺麗な表情だった。

「何か不都合はございませんか?」
「えぇ、ありがとう。ミラもご機嫌だもの」

どうやら、ミトさんが相手をしてくれるようなのだが、さすがにリルの膝の上は恥ずかしいと膝から降りようとして腰をがっちりとホールドされた。

「あの。少し聞こえてしまったのですが、なにやらレシピと……」

どうやらプリンの話を聞かれていたらしく、マスターはそれを知りたいようだ。

「宜しかったら私もそれを……ミト様が以前美味しいと……」

言葉を濁したマスターは、どうやら食べてみたかったらしい。

「どうしようかしら、リクトちゃん?」
「どうしようかとは?」
「きっと、この店でも美味しかったら出したいのよ。ねぇマスター?」
「え、はい……」

鼻の頭をポリポリと掻いて見せたオーナー。
特に秘伝のレシピがあるわけではなく、他の獣人さんにも食べて欲しい物だからと、俺は構わないと説明した。
その分、玉子が大量に必要だから仕入れ先があればときいてみると、明日一緒にお持ちしますと押しきられた。
合わせて今日の飲食も無料にしてくれるようだ。
申し訳ないと思いながら明日の昼過ぎにと約束をする。
明日が楽しみだと笑った。
しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。

やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。 昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと? 前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。 *ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。 *フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。 *男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。

riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。 召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。 しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。 別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。 そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ? 最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる) ※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

神獣様の森にて。

しゅ
BL
どこ、ここ.......? 俺は橋本 俊。 残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。 そう。そのはずである。 いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。 7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~

沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。 巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。 予想だにしない事態が起きてしまう 巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。 ”召喚された美青年リーマン”  ”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”  じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”? 名前のない脇役にも居場所はあるのか。 捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。 「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」 ーーーーーー・ーーーーーー 小説家になろう!でも更新中! 早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!

処理中です...