123 / 466
129話
しおりを挟む
足早に出立したレヴィを見送ってから俺はミトさん達の部屋に向かう。
コンコンと扉をノックするとらはぁいと、ミトさんの声がして中から扉が開いた。
「あら、リクトちゃんいらっしゃいり何かあった?」
「あ、えっと…」
勢いで来てしまったが、何を伝えるか決めておらず、何かと問われてしまうと困ってしまい、ミトさんを見上げるとにこりと優しい笑みに包まれた。
「ダーリン、ちょっとお茶を飲んでくるわ?」
「あ、あの……ルーファスさんにも……」
「あら、じゃあお茶をいれてきましょダーリンはいつもの?」
そう言いながら、ミトさんがぐいぐいと俺を押して部屋から出してしまう。そして、ひょいと横抱きに抱き上げてくれて、大股で厨房へ向かってくれた。
「で、なぁに?リクトちゃん」
「あ、レヴィが俺たちの家に帰りました。
何でかって言うと、俺の持ち物を取りに行ってくれたので……荷物を持って戻ってきます……その荷物って言うのが、写真を撮るもので、今の姿を残しておけるものなんです……言葉では理解して貰うのは難しいかもしれませんが、レヴィが持ってきてくれたら、実際にどんなものか見て貰いたい……そこで、どうするかミトさんとルーファスさんに決めて欲しいのですが、新しく来る子の成長も残したいし……」
だから、駄目ですか?と聞かれる前にミトさんに抱き締められる。
「リクトちゃんは、あの子が生まれるのを疑わないのね?」
「え?はい」
「どうして?あの子……ずっと生まれてこなかったのよ?」
「ふふ、のんびりやさんなんですよ。お父さんとお母さんの子ですから、絶対に可愛い子だと思います」
「リクトちゃん……ありがとう、名前、考えなきゃね」
「男の子なのかなぁ、女の子なのかなぁ……ミトさんはどっちがいいですか?」
「生まれてきてくれればどっちでもいいわよ待ったんだもの」
ミトさんが俺の頭を撫でてくれる。
こんな優しいふたりの所に来ることができる子が少しだけ羨ましいと思ってしまう。
同じことをルーファスさんにも聞いてみなければと思いながらミトさんとお茶をいれてまた部屋へと戻るのだった。
コンコンと扉をノックするとらはぁいと、ミトさんの声がして中から扉が開いた。
「あら、リクトちゃんいらっしゃいり何かあった?」
「あ、えっと…」
勢いで来てしまったが、何を伝えるか決めておらず、何かと問われてしまうと困ってしまい、ミトさんを見上げるとにこりと優しい笑みに包まれた。
「ダーリン、ちょっとお茶を飲んでくるわ?」
「あ、あの……ルーファスさんにも……」
「あら、じゃあお茶をいれてきましょダーリンはいつもの?」
そう言いながら、ミトさんがぐいぐいと俺を押して部屋から出してしまう。そして、ひょいと横抱きに抱き上げてくれて、大股で厨房へ向かってくれた。
「で、なぁに?リクトちゃん」
「あ、レヴィが俺たちの家に帰りました。
何でかって言うと、俺の持ち物を取りに行ってくれたので……荷物を持って戻ってきます……その荷物って言うのが、写真を撮るもので、今の姿を残しておけるものなんです……言葉では理解して貰うのは難しいかもしれませんが、レヴィが持ってきてくれたら、実際にどんなものか見て貰いたい……そこで、どうするかミトさんとルーファスさんに決めて欲しいのですが、新しく来る子の成長も残したいし……」
だから、駄目ですか?と聞かれる前にミトさんに抱き締められる。
「リクトちゃんは、あの子が生まれるのを疑わないのね?」
「え?はい」
「どうして?あの子……ずっと生まれてこなかったのよ?」
「ふふ、のんびりやさんなんですよ。お父さんとお母さんの子ですから、絶対に可愛い子だと思います」
「リクトちゃん……ありがとう、名前、考えなきゃね」
「男の子なのかなぁ、女の子なのかなぁ……ミトさんはどっちがいいですか?」
「生まれてきてくれればどっちでもいいわよ待ったんだもの」
ミトさんが俺の頭を撫でてくれる。
こんな優しいふたりの所に来ることができる子が少しだけ羨ましいと思ってしまう。
同じことをルーファスさんにも聞いてみなければと思いながらミトさんとお茶をいれてまた部屋へと戻るのだった。
298
お気に入りに追加
5,319
あなたにおすすめの小説


獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。
N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い)
×
期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい)
Special thanks
illustration by 白鯨堂こち
※ご都合主義です。
※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる