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120話
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「あれ……何かガサガサしてない?」
ふと、木の茂みが揺れているのを見てそう言うと、ふたりが一気に立ち上がった。
腰に手を当てて剣を構える。
そして、一際大きく茂みが揺れると、飛び出してきたのは小さな仔猫だった。
ミャウミャウと鳴くと、俺の膝に飛び込んできた。
「ね、猫?」
爪を立てるその姿。
しかも、その仔猫を追い掛けて更に何か来る気配。
「リル、レヴィ!」
「「おう」」
抜刀したふたりが切り伏せたのは四足の魔獣だった。
仔猫は俺のズボンに爪を立ててブルブルと震えている。その背中を安心させるように俺は撫でてやっていた。
「大丈夫、怪我はない?怖かったね……」
ゆっくり話しかけると、ヘーゼル色の瞳に落ち着きが戻り、すりっと俺の手に擦り寄った。
『ごめんなさい…爪、痛くない?』
そっと手を退けた仔猫は、申し訳なさそうに項垂れる。
「大丈夫だよ、俺はリクト君の名前を教えてくれる?」
赤茶の虎柄をした体毛を優しく撫でてやる。
「僕、キリル…果物を取りに来て……魔獣に……びっくりして」
「そっか、おうちわかる?」
知らない方向に逃げてきたのだろう、キリルは頭を振った。
「リル、レヴィありがとう。もう大丈夫そう?キリルお腹空いてない?俺達食事にするところだったんだけど、よかったら一緒に食べない?」
そう聞くと、ゴロゴロとキリルは喉を鳴らした。
「とりあえず魔獣の気配は今はないけど、その猫が連れて来ちまったか」
「そうだな……とりあえず大丈夫かと思うが」
「手を洗ったら食事にしようか……キリルは人型になれる?」
俺の問い掛けにこくんと頷いたキリルは、ふわりと人型になる。
その姿は6歳くらいだろうか。
赤茶色の髪とすらりと長い尻尾は先がちょこんと曲がる幸運の鍵尻尾。
だが、全裸の為に持ってきていたバスタオルを胸に巻いてやるとワンピースみたいになった。
「お水あるから手を洗って、拭いたら食べよう?」
本当は除菌用のウェットティッシュが欲しいけれど無いから仕方ない。
「うわぁ…」
面倒見のいいふたりに任せて俺はレジャーシートに食事を並べる。
そして戻ってきた3人はいそいそと座る。
それぞれにフォークを手にすると、俺はキリルを膝に座らせてサンドイッチを取ってやった。
「パンの間に玉子を入れてある。少し酸っぱいかも……口に合わなかったら遠慮なく言ってね?」
サンドイッチを受け取ったキリルはパクリとかぶりついたのだった。
ふと、木の茂みが揺れているのを見てそう言うと、ふたりが一気に立ち上がった。
腰に手を当てて剣を構える。
そして、一際大きく茂みが揺れると、飛び出してきたのは小さな仔猫だった。
ミャウミャウと鳴くと、俺の膝に飛び込んできた。
「ね、猫?」
爪を立てるその姿。
しかも、その仔猫を追い掛けて更に何か来る気配。
「リル、レヴィ!」
「「おう」」
抜刀したふたりが切り伏せたのは四足の魔獣だった。
仔猫は俺のズボンに爪を立ててブルブルと震えている。その背中を安心させるように俺は撫でてやっていた。
「大丈夫、怪我はない?怖かったね……」
ゆっくり話しかけると、ヘーゼル色の瞳に落ち着きが戻り、すりっと俺の手に擦り寄った。
『ごめんなさい…爪、痛くない?』
そっと手を退けた仔猫は、申し訳なさそうに項垂れる。
「大丈夫だよ、俺はリクト君の名前を教えてくれる?」
赤茶の虎柄をした体毛を優しく撫でてやる。
「僕、キリル…果物を取りに来て……魔獣に……びっくりして」
「そっか、おうちわかる?」
知らない方向に逃げてきたのだろう、キリルは頭を振った。
「リル、レヴィありがとう。もう大丈夫そう?キリルお腹空いてない?俺達食事にするところだったんだけど、よかったら一緒に食べない?」
そう聞くと、ゴロゴロとキリルは喉を鳴らした。
「とりあえず魔獣の気配は今はないけど、その猫が連れて来ちまったか」
「そうだな……とりあえず大丈夫かと思うが」
「手を洗ったら食事にしようか……キリルは人型になれる?」
俺の問い掛けにこくんと頷いたキリルは、ふわりと人型になる。
その姿は6歳くらいだろうか。
赤茶色の髪とすらりと長い尻尾は先がちょこんと曲がる幸運の鍵尻尾。
だが、全裸の為に持ってきていたバスタオルを胸に巻いてやるとワンピースみたいになった。
「お水あるから手を洗って、拭いたら食べよう?」
本当は除菌用のウェットティッシュが欲しいけれど無いから仕方ない。
「うわぁ…」
面倒見のいいふたりに任せて俺はレジャーシートに食事を並べる。
そして戻ってきた3人はいそいそと座る。
それぞれにフォークを手にすると、俺はキリルを膝に座らせてサンドイッチを取ってやった。
「パンの間に玉子を入れてある。少し酸っぱいかも……口に合わなかったら遠慮なく言ってね?」
サンドイッチを受け取ったキリルはパクリとかぶりついたのだった。
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