【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

113話

手分けをして洗い物などを片付けていると、ピンポンとチャイムが鳴る。
リルが出ていき、戻ってくると手には野菜等をいっぱい持っていた。
何？
リルが聞くと、今日の焼きそばが美味しかったから、そのお返しなのだと言う。
次から次へと届く食材に今度何か炊き出しみたいなものをしたいなと思う。
とりあえずは構想を練りながら後片付けを終えると、夕飯の準備に取り掛からなければならない。

「ミトさん、何が食べたいですか？」
「おこめがいいわね、帰ったら食べられないもの」
「わかりました！トルコライスにしますね」

本場のトルコライスとは違うものになってしまうけれど、チャーハンとポークカツとナポリタンをワンプレート。
サラダは別盛りにして…

「何かしらトルコライス…楽しみねぇ」

ミトさんのリルに似た可愛らしい耳がピピッと揺れて、背中の太い尻尾がゆらゆらと動いている。

「えっと、俺の国の料理と言うか、チャーハンとカツとナポリタンをのせるのですが、他にもウインナーや唐揚げとかをのせるのもあったり、あと、カレー…とか」
「あら、楽しそうね…色々と食べられるの？私も土鍋欲しいわぁ」

お米を炊いてみたいミトさんは、土鍋が欲しいみたい。

「よかったら使いかけですが持っていきますか？俺たちはまた作って貰えばいいので…」
「あら、ありがとう。いいのかしら？」
「はい。お米は手にはいると、思いますから炊く様子をお見せしますのでやってみてくださいね？」

白く精米したお米を計って研いで水に浸ける。
それから時間をみてから火を点けて炊いていく。
その間にパスタを茹でたりカツを準備したりしながら夕飯の時間を迎えた。
チャーハンはニンニクをがっつりと効かせて、ナポリタンは野菜とケチャップ、バターたっぷりめ、カツはからっと揚げて皿に盛っていく。
いつの間にか集まってきていた３人にもトルコライスの説明をしながら、冷たいお茶を用意していく。
俺以外はかなりのボリュームで盛ってある。
それを揃っていただきますをしてから食べ始める。

「美味しいわ…リクトちゃんありがとう」

優しいミトさんの言葉に泣きそうになる。
騒がしい日常も明日まで、明日は泣かずに見送ろうと決めた。