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112話

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「熱っ!うまっ!」

ゾウさんが嬉しそうに貝を食べている。
俗に言う酒蒸しってやつね。
俺はあまり食べないんだけど…酒もあまり飲まないし…でも、食べて欲しかった。
ふわりと香る醤油の香りがたまらない。

「これ、おにぎりです…お米を炊いたものですが、抵抗がなければ食べてみてください」

どうやらキツネさんは焼きとうもろこしが気になるみたい。
ふたりとも、しょうゆに馴染みがないからおっかなびっくりで食べている。
でも、美味いと言ってくれて嬉しい。
リルもレヴィも満足そうだし、ルーファスさんもミトさんも食べてくれたっぽい。
バーベキューっぽくなって良かったかなぁ。

「美味いのはいいとして、リルやっと武器が出来たぞ?今日は持ってきていないから取りに来てくれ!会心の出来だ!レヴィのハルバードも粗方できているから、明日なら渡せると思う」

「おう、じゃあ明日…かな」
「楽しみだ」

そう言えば、武器を作っていたんだと思い出すと、少しだけ不安になる。
身を守るための武器なのだが、身を守らなければならない事態にならないのが1番だから。

暫く談笑している4人をおいて俺はそっと片付けを始めようとしてデザートがあったのを思い出した。

「アイス食べる人いますか?」

声を掛けると全員が手を上げる。
ぞうさんもキツネさんもか。
はいはい。

「私が行ってくるわよ?リクトちゃんはゆっくりしていて?」
「ありがとうございますミトさん棒の刺さったのがありますから、それを」
「わかったわ、行ってくるわね?」

ルーファスさんと、手を繋いで行ったミトさんは暫くして戻ってきたけれど、その手にはたくさんのアイスキャンディー。
いろいろな味のを試しで作ってあったのだ。
フルーツやヨーグルト風味のもの。
味見していないけど、大丈夫かなぁ。

「美味しかったわよ?」

ん、ミトさん既に食べましたね?

「確かに」

ルーファスさんもか!
でも美味しいって言ってくれるのは嬉しい。

「どうぞ。どんな味が好きか教えてくださいね?白いのも、ミルクとバニラ、ヨーグルトがありますからどれが当たるかなぁ…ピンクはイチゴ、茶色はチョコレートです」

茶色を見て躊躇ったレヴィが、恐る恐るそれを手にして口に入れた。
そして表情が変わる。

「冷たくて美味い」

アイスキャンディータイプは初めて作ったから…スプーンで掬うアイスクリームは何度か作ったけれど。
立食だけど、楽しかった。
さて、食べ終わったら片付けをしてゆっくりしましょうか。
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