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本編
104話
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ひとりずつ、生まれた子供が布にくるまれて籠に入れられた。
籠の取っ手には枝に巻いてあったリボンを外してくくりつけ、子供が入っていた実の殻と一緒に置いてあった。
こうやって見ると、殻も大きさや形、色や柄も違いがあり面白い。
「可愛いねぇ……ちっちゃいのにちゃんと耳が動くんだね」
ピピっとなにかを聞くように耳を動かす子供たち。
独りの獣人が実の中に残った液体をスプーンで掬って子供に飲ませていた。
「あの、なにを?」
「あぁ、実の中の液体が身体にいいからね、強く育つようにって皆が飲ませるんだよ」
そう言われて、地球で言う初乳なのだなと理解した。
「目が開いてる…可愛いね…」
リルとレヴィを振り向くと、ふたりもデレッとしている。
自分の子供じゃないのに。
案外と子煩悩なのかもしれないと思った。
「リル?レヴィ?」
「あ、あぁ…」
「可愛いなぁ…他人の子でも…」
そんなことを言っていると、わらわらと大人が集まってきて、籠を持つ。
きっとそれが両親なのだろう。
だからリボンを籠につけたんだ。
刺繍を施したリボンを忘れるわけがない。
だから、その子が自分たちの子供だと言う証なのだ。
「やっぱり双子はいない?」
「リクト、あれか双子…かもしれないな」
レヴィが指差す先にあったのは、リボンの結ばれた木の枝の先に木の実がふたつついている。
「あ、ふたつ付いてるんだ?」
「そうだな」
「あの枝は…」
リボンが擦りきれそうになっているのに実はついていないのだ。
柵からちょこんと枝をのばしているそれに、俺は無意識に触れてしまう。
その瞬間に枝先にポンッと実が成った。
「えっ!」
「は、リクト!?」
「ご、ごめん…ちょっと触っただけなんだけど…うわぁ…」
あわてふためくふたりと、遠くからそれを見ていた獣人が駆け寄ってくる。
「おい、誰かナスカとメルの所に走れ!寝ていたら叩き起こしてきてくれ」
そう叫ぶと、違う獣人か駆け出した。
「おい、あんた…これに何かしたのか?」
狼の獣人だろうか、じりじりと近寄ってきた男に腕を掴まれた。
「ごめんなさい…枝に少し触れただけで…」
俺はすみませんと頭を下げる。
掴まれた手に力は入っていなかったが、俺はどうしようとリルとレヴィを見る。
「わるいが、詰所に来てくれ後ろのふたりも…って、リルさんにレヴィさんじゃないっすか!」
「あ?セトか?」
「そうっす!3年前から此処に配属になりまして…この人は?」
「俺達の番…恋人のリクトだ」
「とりあえず皆さんで詰所にどうぞ!ちょっと時間をいただきますけど」
そう言われて俺達は詰所と呼ばれる近くの建物に連れていかれたのだった。
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そんなことを言っていると、わらわらと大人が集まってきて、籠を持つ。
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「あ、ふたつ付いてるんだ?」
「そうだな」
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柵からちょこんと枝をのばしているそれに、俺は無意識に触れてしまう。
その瞬間に枝先にポンッと実が成った。
「えっ!」
「は、リクト!?」
「ご、ごめん…ちょっと触っただけなんだけど…うわぁ…」
あわてふためくふたりと、遠くからそれを見ていた獣人が駆け寄ってくる。
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「わるいが、詰所に来てくれ後ろのふたりも…って、リルさんにレヴィさんじゃないっすか!」
「あ?セトか?」
「そうっす!3年前から此処に配属になりまして…この人は?」
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