【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

96話

「喉痛い…」

気だるくて仕方ない身体を何とか起こして朝食を作る。
今朝は昨日のビーフシチューと残りを食べたい人と、サラダにパンケーキ。ボイルソーセージと、オムレツ。
パンケーキは、バター、蜂蜜、生クリーム、フレッシュフルーツを各自でトッピングしてもらう。
俺は絶賛パンケーキを作成中！
こっちの世界には手軽に作れるホットケーキなんちゃらなんて無いから、粉を振るって混ぜ合わせるところから。
調理実習でやったこともあるけど、やっぱり１枚のフライパンで１枚しか焼けないのはキツイ。
キッチンタイマーが無いから、充電して使っているスマホのタイマーを使ってる。
最初、リルやレヴィは音がするたびにビックリしていたけれど、最近は鳴ってるぞって教えてくれる。

それにしても、ルーファスさん達、遅いなと２階をきにしていたら、昨夜はお楽しみだったみたいだとレヴィがそっと教えてくれた。

…それって！！

ま、まぁ、ラブラブなんだから…うん。

作っときゃ後で食うだろと言われて、自分達が食べる分だけ焼いてから食事にする。
ルーファスさん達のは少しでもあたたかい方がいいだろうと、後からにした。
そんなに気を使わなくていいのにと、リルに呆れたように言われても、大切な両親になるかもしれない人達だから。
もし、両親にならなくても、今の関係を続けてくれたらいいんだけどな。
そう思いながら俺はパンケーキにバターとハチミツ。
レヴィはたっぷりのハチミツ。
リルはプレーン。
生地にほんのりと甘さを足してあるため、そのままでもおいしく食べられるはずだ。

それにしても怠すぎる。
腕を上げるのも怠いのだ。

「美味いぞリクト」

嬉しそうなレヴィに、良かったとホッとしながら、俺はコーヒーを飲んでいる。

「俺のおふくろの味はパンケーキなんだよ…ちょっと嬉しいことがあれば、パンケーキを焼くから」
「そうなの？」
「あぁ、確かに焼いてたな…」
「食べてみたいかも」

俺の言葉に二人は固まる。
ミトさん、そんなに料理下手じゃないよと思ったら、１回に焼く量が半端ないらしい。気になる！