【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

92話

大量のパスタを茹でてまずはペペロンチーノ。
そして、カルボナーラ、ナポリタンの順で作る。
一種類以内はだいたい麺が５人前。
普通に計算すれば、１人３人前のパスタを食べる計算だ。
それだけあれば流石に大丈夫だろう。
フレンチトーストも食べているし。
そう思いながらビーフシチューを温めつつパスタを作った。
ペペロンチーノのニンニクの香りが部屋に充満する。
皿に乗せてテーブルに置く。続いてカルボナーラ。
ベーコンと黒コショウ。
カルボナーラは火加減に失敗すると玉子が固まり過ぎてしまうので程よく。

「どうぞ、シチューも用意しますから食べられるだけ取り分けてくださいね？」

スープ皿にたっぷりのビーフシチュー。
ごろっと入ったビーフは食べればホロホロと崩れる柔らかさだ。
野菜も勿論柔らかくなっていて美味しいと思うんだけど…
シチューの中に彩りでブロッコリー等をいれてからテーブルに準備をした。

「熱いうちにどうぞ？」

俺はまだナポリタンを作らなきゃ。
食事を薦めると、リルがパンも欲しいと言い始める。
丸パンかコッペパンならあるけどね。
とりあえず丸パンを出しておくと、パンでシチューを食べている。

「ビーフシチューはまだまだありますから、欲しい方はお皿を持ってきてくださると助かります」

たっぷりの厚切りベーコンと玉ねぎニンジン。
それをたっぷりバターで炒めた後に味付けはケチャップ、少しのソースと塩コショウ。
俺はちょっとべちゃっとしたナポリタンが好き。
炒めたら味見をして、酸味が強いなら少しだけ砂糖。
ナポリタンって、母親の味なんだけどね…
そう思いながら皿に盛るとテーブルに持っていく。

「リクト、コッペパンがないか？」
「あるよ？」
「ナポリタンを挟んで食べたい」

リルの申し出に俺は、はいはいと、コッペパンに包丁を入れて出してやる。
前にもナポリタンでやったし、つい先日は焼きそばでもやったからね。
本当に炭水化物好きだね。
それで太らないのは何でだ。

それを真似するようにミトさんもコッペパンにナポリタンを挟んでいる。

俺もビーフシチューをいただいちゃおうかな。

そう席に座ると、最後の丸パンを貰ってシチューを口にする。
程好い固さのジャガイモやブロッコリー。
とろとろの肉やニンジン。
しっかりとした、味のビーフシチューは思っていたよりも美味しかった。
俺が食事を始めてしまったため、レヴィは自分でシチューをよそっているが、ん？
肉多め。ニンジンなし？
次回はニンジン多めにしてあげようね、レヴィさん？

「リクトちゃん、パスタはもう無いの？」

え？まだ、食べます？
って、綺麗に無いじゃんパスタ。

「食べますか？茹でればありますけれど、何がいいですか？」
「「「「ナポリタン！」」」」

…全員が足りなかった！？

「どのくらい食べられますか？」

一人前、二人前…ん、あと六人前ね。
つくりましょう。

俺はとりあえず自分のビーフシチューをたいらげてからまたパスタを茹でにキッチンに立つのだった。
この家だけでも、一人前の基本的な量を見直した方がいいと思うよ？
それより何よりルーファスさんのその細い身体の何処に消えていくの？
謎は更に深まるのだった。