【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

88話

ジュウジュウとフライパンでハンバーグを焼きながら、ソースを作る。
ミトさんの作ったハンバーグは１つが掌より大きい。
俺は１個でお腹いっぱいになりそうだから、とりあえず5個くらい焼けばいいかな。
それと、付け合わせのパスタやソテー、グラッセを盛り付けていく。
ケチャップを使ったソースと、大根おろしとポン酢。
二種類で食べて貰う。
ポン酢も果物や酢でそれっぽくしただけだからどうだろう。
丸パンは好きに食べて欲しいとカゴいっぱいにして出した。

「ルーファスさん、ミトさんどうぞ？口に合えばいいですが…」

まだ熱々をテーブルに並べていただきます。

「ふふ、美味しいわぁ」
「ミトさんが愛情たっぷりに捏ねてくれましたから…ルーファスさん、いかがですか？」
「美味しい…ミトが作ってくれるものなら何でも美味しい」

うわぁ…誰か砂糖入れてないよね？
でも、いいなぁラブラブって…日本は子供できたら配偶者を愛せないとか、そう言うのが恥ずかしい民族だからね…
あ、これって聞いていいこと…なのかな。
チラリチラリと俺がミトさんを見ていると、どうしたの？と、首を傾げてくるミトさんに聞いていいのかわからず、躊躇うとルーファスさんがどうしたのか聞いてくれた。

「失礼なのを承知で聞かせてください…嫌なら答えなくていいですが」

そう前置きをして腹をくくる。

「ルーファスさんも、ミトさんも、男性ですよね？」
「そうよ？」
「リルは…どうやって産まれたんですか？」
「どうやってって、皆と同じように…よ？」
「ミトさんは虎族？ですけど、ルーファスさんは違いますよね？リルは何族なんですか？」
「どうみても虎属よね」

ミトさんとルーファスさんは互いを見ながら、当然のごとく話始める。
疑問も何も無いようだ…

「リクトちゃんはどういう教育を受けてきたのかしら…もしかしたら私達とは違う認識なのかしらね？」

ミトさんがナイフを置いて唇を拭く。

「リクトちゃん、子供の作り方…知ってる？」

そう、ミトさんに真顔で言われて、俺はこくりと頷いた。
男女の営みで子供ができるのを流石に知らない訳じゃない。
そう思っていたのだが、流石此処はファンタジー世界。
ミトさんの口から出た言葉に頭を金槌で叩かれるような衝撃を受けた。

「そうよね、この街にもあるものね、聖樹にリボンを結べば実が成って子供になるものね…」

は？
はぁっ！？
何それ…マジですかっ？