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51話

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まずは、ブラシ!と、言ったのに何故か宝石商の店にいた。
小さな店なのに、ところ狭しと石が並んでいた。

タグに埋め込むための魔石なのだと言う。

ソナエタイト、マモラナイト、アイシタイト。

ん?と、思うような名前の石と金額が並んでいるが、どれも何だか綺麗すぎて俺にはしっくりこない。

「ふたりのタグの石はどうやって決めたの?」
「あー…俺らのは、親が決めたんだ…タグは親族から貰うのが普通だから」
「だから、リクトには俺達が送りたい…」

その話を聞いて、うるっとしちゃうじゃないか!

「じゃあ、魔石もふたりが決めて。何でもいい…から」

ふたりがくれるならなんでもいいよと笑うと、ふたりは頷いて1つの石を即座に選んだ。
白く、俺たちの世界では真珠と呼ばれる石ではないが宝石だ。

真円をしているが、大きさは小指の先よりも小さいものだ。

「これがいい」
「リクトはどうだ?」
「ふたりが選んでくれるなら…いいよ?でも、これ綺麗だね」

傷がつかないように軟かな布の上に載せられた石。
光の角度で薄桃色や、きいろに色をかえるのが見ていて楽しい。

「じゃあ、決まりだな」
「あぁ、じゃあ後はプレートを作りにも行かなきゃな」

楽しそうにふたりは決めて支払いを済ませてしまう。
いくらなんだろうなと気にはなったけれど、子供は親にそんなことを聞くもんじゃないと言われてしまうも、そりゃそうだと納得した。
ただ、そのときに金額を聞いてしまっていたら、俺は絶対にそんなものを身に付けられなかったと思う。

それから、その石を持ってゾウの鍛冶屋に向かう。
この石はプレートには埋め込まず、篭を作ってその中に入れてから、プレートと一緒にネックレスにするらしい。
細かいんだなぁ…なんて思いながら、俺は全てをふたりに任せてしまうのだった。
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