【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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38話

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やはりと言うかなんと言うか。
リルと出掛けるときも手を繋いでいる。
ふたりは俺が周りと違うのは気にならないと言ってくれた。

どうしても気になるならと、以前購入したパーカーを薦められたがそれは断固として拒否した。
流石に似合わないだろ。

「こっちはリクトは初めてだよな、職人街だ」

リルの様子は変わらない。

「うん、どんなのが売ってるの?」
「武器や防具を俺たちは買うけど、鍋なんかも売ってるぜ?うちで使ってるのは珍しく武器屋で作って貰った奴だから熱伝導がいいらしいぜ、使ったことがないから…」
「そうだね、凄くいいものが揃ってるから、俺も作るの楽しいんだもん」

歩いているとチラリと振り返られる。

「リル…俺と歩くの恥ずかしくない?」
「いや?」
「みんなが振り替えるのは、俺が珍しいから…だろ?」、!・!?
「違う、リクトが美人だからだ…」

美人なわけあるか。
フツメンだぞ?こっちの世界に来て見た目が変わったのだろうかと鏡を見たこともあるが、全く変わったものはなかった。
だから、美人と言われて首を傾げた。

「それは無いよ…それならリルが格好いいから見られているんだと思う…」
「俺が格好いいか?」
「うん…?あっ…」

にーっと笑ったリルが嬉しそうにぎゅっと抱きついてきた。

「俺の見た目は嫌いじゃないか?レヴィはどうだ?」
「どっちも格好いい…と、思うけど…」
「どっちが好みだ?」
「どっちも魅力的…だよ?リルもレヴィも…」

どちらも違う魅力がある。

「リクトは同性の恋人をどう思う?今、此処で俺だけ聞くのは抜け駆けか?」
「俺…あっちの世界だと、恋愛対象は同性…だったから。
好きになった人には気持ちを伝えたことはないけどさ?」
「そっか、まだ話してないこといっぱいありそうだな…帰ったらまたレヴィと3人で話そうか」

店の前で止まると、リルは扉を開く。
ガランガランと来店を告げるベルが鳴り、リルはずかずかと入っていくのを俺は慌てて追い掛けた。

「取りに来たぜ?」

店の奥に声を掛けるも、誰も出てこない。

「おーい」

いねぇのか?と呟いたリルは遠慮なくその奥、工房だろう。そちらに入っていく。
だ、大丈夫なの?俺は不安になりながらもどうすることもできなかった。
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