【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

文字の大きさ
上 下
32 / 466

38話

しおりを挟む
やはりと言うかなんと言うか。
リルと出掛けるときも手を繋いでいる。
ふたりは俺が周りと違うのは気にならないと言ってくれた。

どうしても気になるならと、以前購入したパーカーを薦められたがそれは断固として拒否した。
流石に似合わないだろ。

「こっちはリクトは初めてだよな、職人街だ」

リルの様子は変わらない。

「うん、どんなのが売ってるの?」
「武器や防具を俺たちは買うけど、鍋なんかも売ってるぜ?うちで使ってるのは珍しく武器屋で作って貰った奴だから熱伝導がいいらしいぜ、使ったことがないから…」
「そうだね、凄くいいものが揃ってるから、俺も作るの楽しいんだもん」

歩いているとチラリと振り返られる。

「リル…俺と歩くの恥ずかしくない?」
「いや?」
「みんなが振り替えるのは、俺が珍しいから…だろ?」、!・!?
「違う、リクトが美人だからだ…」

美人なわけあるか。
フツメンだぞ?こっちの世界に来て見た目が変わったのだろうかと鏡を見たこともあるが、全く変わったものはなかった。
だから、美人と言われて首を傾げた。

「それは無いよ…それならリルが格好いいから見られているんだと思う…」
「俺が格好いいか?」
「うん…?あっ…」

にーっと笑ったリルが嬉しそうにぎゅっと抱きついてきた。

「俺の見た目は嫌いじゃないか?レヴィはどうだ?」
「どっちも格好いい…と、思うけど…」
「どっちが好みだ?」
「どっちも魅力的…だよ?リルもレヴィも…」

どちらも違う魅力がある。

「リクトは同性の恋人をどう思う?今、此処で俺だけ聞くのは抜け駆けか?」
「俺…あっちの世界だと、恋愛対象は同性…だったから。
好きになった人には気持ちを伝えたことはないけどさ?」
「そっか、まだ話してないこといっぱいありそうだな…帰ったらまたレヴィと3人で話そうか」

店の前で止まると、リルは扉を開く。
ガランガランと来店を告げるベルが鳴り、リルはずかずかと入っていくのを俺は慌てて追い掛けた。

「取りに来たぜ?」

店の奥に声を掛けるも、誰も出てこない。

「おーい」

いねぇのか?と呟いたリルは遠慮なくその奥、工房だろう。そちらに入っていく。
だ、大丈夫なの?俺は不安になりながらもどうすることもできなかった。
しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。

やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。 昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと? 前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。 *ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。 *フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。 *男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。 ※(3/14)ストック更新終わりました!幕間を挟みます。また本筋練り終わりましたら再開します。待っててくださいね♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

処理中です...