【ＢＬ】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

37話

「考える時間を欲しい」

俺が出した答え。
今すぐどうのではなく、少しだけ考えたい。
どちらを選ぶのか、どちらも選ばないのか。
それをふたりは嫌な顔もせずに頷いてくれた。

リルのじゃあ、飯にしようぜ？の言葉に救われる。

まだ、一緒に食事ができる。
少しだけ居心地の悪い思いをしながら俺は立ち上がった。

「リクト、お前が何を選んでも俺達はそれを受け入れる。
そして、何を選んでも此処に居ていいからな？」

レヴィの優しさに涙が浮かぶ。
行き先がないことをわかってくれるのだ。

「うん…ありがとう」

食事をテーブルに並べて３人で席についたが、味はほぼしなかった。
上手く喋れただろうか。

そのあと、朝の分の食事の用意をしてから、風呂に入り寝室に向かう。
流石に今日は一緒にと言われたがそれは断った。
気を持たせるのが悪いかなと思ったからだ。

一人用の寝台はじゅうぶんな広さだからだろうか、とても寒かった。
何度も寝返りをうって明け方短い睡眠をとったのだった。



「おはよう、今日は普通のトーストだよ」

トースト、オムレツ、サラダ、ボイルソーセージその他色々。
作りすぎた感はあるけれど、ふたりなら食べてくれるだろう。
座ってと促すと、レヴィが眉間に皺を寄せた。

「あまり寝てないだろ…今日はゆっくりしろ、洗い物くらいやるから」
「え、あー…うん」

そんなにわかりやすいのだろうか。
逆に迷惑をかけてしまったと反省しながらも３人で席に着く。

ふたりは今日は仕事はないらしい。
自宅にいるのかなと思ったら、リルは先日の仕事帰りに預けた武器を取りに行くらしい。
一緒に行くかと言われて、悩んだが頷いた。

レヴィはお留守番するらしい。

お出かけなら、笑顔で楽しまなきゃ。
リルもそのつもりで連れ出してくれるのだろう。
レヴィにお昼を作ると申し出たが、出掛けるかもしれないから大丈夫だと断られた。
夕飯、豪華にするからね？そう言うと、楽しみにしていると頭を撫でられた。
絶対子供扱いだよね？