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25話
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食事を終えると、俺はまた荷物を持ちながらふたりと歩く。
お腹いっぱいになったから、少し歩かなきゃと辺りをまたぶらつく事にしたのだ。
本当なら荷物を持って帰って仕込みをしたいのだけれど…と思って足を止める。
お酒も無いじゃん!
料理酒でいいんだけど。
リルとレヴィのセラーに、料理酒があるはずがない。
ましてや、セラーの中の酒なんてふたりのことだから高いのを飲んでいるはずだ。
でも、欲しい。
「ねぇ、ふたりとも…お酒欲しいんだけど…」
俺は立ち止まってお願いしてみる。
料理に使いたいと説明すれば、それは重要だとふたりは頷いた。
「どんな酒が必要だ?」
「えっと…」
俺は説明をするんたけど、ふたりには上手く伝わらなくて、もう仕方ないから酒屋に行こうってなった。
石畳の上を歩きながら向かった先に酒屋がある。
建物の後ろにあるのは貯蔵庫なのか、酒蔵なのかわからないくらいの大きなもの。
ふわぁと建物を見上げたらふたりに笑われた。
仕方ないだろ!見たこと無いんだから。
「お酒、売ってる?」
「あぁ、ものによっては試飲もできるから好きなのを選べばいい」
リルの説明にふぅんと頷いて見せる。
面白いなと思いながら建物に入ると、其処に居たのは羊の獸人。
いらっしゃいませと頭を下げられた。
店内にはびっしりと並べられた酒瓶。
セラーにあったものと似た形の瓶だなと思いながら、その羊の店員に欲しい酒の説明をしたのだった。
話を聞いた羊さんは、畏まりましたと、棚の中からいくつかの瓶を取り出して、テーブルの上に乗せていく。
それと、出してきた小さなショットグラスみたいなものに、少しずつその酒を注いでいった。
「このようなものが好まれておりますが、いかがでしょう」
料理酒と言って出してもらったのに、こんなにあるの?
俺は驚きながらグラスを手にする。
これ、全部飲んだら料理酒とはいえ酔うよな…なんて考えながら、少しずつぺろりと舐めていく。
どれも美味しくて選べないくらいだったが、金額はピンキリだと言われたため、真ん中くらいの少しやわらかみのあるものに決めた。
「リクト、お前酒を飲むならお前用のを買っておけよ?俺達のは強いから口に合わないだろうしな」
リルの気遣いに頷くと、レヴィはいくつかの酒を試飲できるように頼んでくれた。
お腹いっぱいになったから、少し歩かなきゃと辺りをまたぶらつく事にしたのだ。
本当なら荷物を持って帰って仕込みをしたいのだけれど…と思って足を止める。
お酒も無いじゃん!
料理酒でいいんだけど。
リルとレヴィのセラーに、料理酒があるはずがない。
ましてや、セラーの中の酒なんてふたりのことだから高いのを飲んでいるはずだ。
でも、欲しい。
「ねぇ、ふたりとも…お酒欲しいんだけど…」
俺は立ち止まってお願いしてみる。
料理に使いたいと説明すれば、それは重要だとふたりは頷いた。
「どんな酒が必要だ?」
「えっと…」
俺は説明をするんたけど、ふたりには上手く伝わらなくて、もう仕方ないから酒屋に行こうってなった。
石畳の上を歩きながら向かった先に酒屋がある。
建物の後ろにあるのは貯蔵庫なのか、酒蔵なのかわからないくらいの大きなもの。
ふわぁと建物を見上げたらふたりに笑われた。
仕方ないだろ!見たこと無いんだから。
「お酒、売ってる?」
「あぁ、ものによっては試飲もできるから好きなのを選べばいい」
リルの説明にふぅんと頷いて見せる。
面白いなと思いながら建物に入ると、其処に居たのは羊の獸人。
いらっしゃいませと頭を下げられた。
店内にはびっしりと並べられた酒瓶。
セラーにあったものと似た形の瓶だなと思いながら、その羊の店員に欲しい酒の説明をしたのだった。
話を聞いた羊さんは、畏まりましたと、棚の中からいくつかの瓶を取り出して、テーブルの上に乗せていく。
それと、出してきた小さなショットグラスみたいなものに、少しずつその酒を注いでいった。
「このようなものが好まれておりますが、いかがでしょう」
料理酒と言って出してもらったのに、こんなにあるの?
俺は驚きながらグラスを手にする。
これ、全部飲んだら料理酒とはいえ酔うよな…なんて考えながら、少しずつぺろりと舐めていく。
どれも美味しくて選べないくらいだったが、金額はピンキリだと言われたため、真ん中くらいの少しやわらかみのあるものに決めた。
「リクト、お前酒を飲むならお前用のを買っておけよ?俺達のは強いから口に合わないだろうしな」
リルの気遣いに頷くと、レヴィはいくつかの酒を試飲できるように頼んでくれた。
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