【ＢＬ】空と水の交わる場所～ゲーム世界で竜騎士になりました。

７章 記憶

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「それは僥倖ぎょうこう…」

アイヴィスは、ルディアスの話を聞いて小さく呟いた。
執務室の天井を見上げて細く息を吐くと目を閉じる。
必要なだけしか、顔を会わせなくした想い人。
心配ではあるが負担を掛けてしまうからと距離を取った。
部屋に呼んでいたアスランと顔を合わせると、頷きあって後を任せる。
セラフィリーアの筆頭従者はすべてを理解して早足で執務室を出ていった。

セラフィリーアとシュクラ基もといコズミの契約が成った。
コズミの加護も得られるため、セラフィリーアの回復は今よりは早くなるだろう。
それと、騎士団にのみ通達し、セラフィリーアとコズミの事は部外秘としなければならない。
白飛竜の辛い噂が漸く消えてきたのだ。
それに、セラフィリーアにはその噂を聞かせたくない。
『飛竜殺し』
白い飛竜が空を飛ばなくなり、契約者の姿も見えなくなった。
民や貴族はセラフィリーアが眠っている間に面白おかしく話を作った。

「ルディアス、悪いが副団長３人を召集したい」
ルディアスに伝えると順番に副団長が集まって、カラクが慣れたようにコーヒーをいれはじめる。
セラフィリーアが好むコーヒーは何だかんだでこの団長達には好評なのだ。

「では、始めるか」

アイヴィスがソファーに座るとコーヒーが置かれる。
次々にコーヒーを口にするとひそめていた眉が少しだけ弛み会話のとっかかりを示す。
それから一刻以上幹部の会議はつづいたのだった。