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5章 絆
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「もう無理…」
セラフィリーアは肩で息をしていた。
飛竜騎士の基礎訓練は、走り込みをしてからの筋肉作り。
剣術や槍術、弓術の訓練をする。
セラフィリーアは走り込みは辛うじて脱落をせずに終わらせたが、弓術は問題なくできるだろうからと剣術か槍術で悩み、少しだけ囓った剣術を選択したのだが…
腕上がらな…
そうだよな、飛竜騎士って、騎士から選ばれるから基礎訓練はばっちりだもんな。
混ざるなら騎士見習いの基礎訓練じゃなきゃ駄目だろうな。
うん…自主連しよ。
座り込みそうになるのを堪えながら、ふらふらと水呑場に向かう。
火照った身体を少しだけ冷やしたい。
もう、これって運動部のノリだよね。
だって、飛竜騎士なのに大半が半袖チュニックに半ズボンなんだぜ?
アスランに用意された動きやすいけど肌の露出が少ないシャツとズボンは熱がこもり暑い。
歩きながらボタンを外し、パタパタと手で顔を扇ぐ。
背中を汗が流れ落ちるのがわかった。
「まだ訓練ができるなんて凄いよな…」
基礎訓練が終わった騎士達はそれぞれに別れて立ち稽古を始めている。
相手も決まっていなかったセラフィリーアだったため、少しだけ休憩できたのだ。
整備された水呑場。
常に水が流れて循環しているため清潔だ。
水溜の水に手を入れて洗うと、小さな噴水になっているところから水を手のひらに汲むとパシャリと顔に当てる。
冷たくて気持ちいい。
真夏は冷たいし、冬でも凍ることの無い不思議な水だ。
ざぶざぶと顔を洗ってから、ポケットにいれていたハンカチで顔を拭く。
そして、口を濯いで水を吐き出すと訓練に戻ろうと腕捲りをする。
流石にズボンの裾は捲れないが。
「セラ様、団長への急ぎの決裁がありますので、セラ様が目を通してから、王宮へお持ちいただけますか?書類は執務室にありますので…お着替えをされてからお願いします」
声を掛けてきたのはネイトだった。
こんにちはとセラフィリーアが挨拶をすると、笑みを浮かべたネイトは頭を下げて頼む。
「わかりました…あのネイト様…戻って来られるとは思いますが、もし何かかあったときにはルシウス様のヤトと、カラク様のサーシャとお話をさせてもらう予定だったので、差し支えなければヤトとサーシャだけでも夕方に離宮へ来てくださるようにお伝えいただけますか?
来ていただくのは申し訳ないのですが、私が移動するには時間がかかるので…」
「畏まりました。私の飛竜もお邪魔させても宜しいですか?」
「はい。ただ、ルディアスがいますので、あまりたくさん飛竜が降りられないので、順番になるかもしれませんが。
ネイト様も離宮でおもてなしできるかはわかりませんが、いらしてくださいね?では行って参ります。」
もう一度セラフィリーアは顔を拭くと小走りで執務室に向かう。
その後ろ姿をネイトは見送った。
セラフィリーアは肩で息をしていた。
飛竜騎士の基礎訓練は、走り込みをしてからの筋肉作り。
剣術や槍術、弓術の訓練をする。
セラフィリーアは走り込みは辛うじて脱落をせずに終わらせたが、弓術は問題なくできるだろうからと剣術か槍術で悩み、少しだけ囓った剣術を選択したのだが…
腕上がらな…
そうだよな、飛竜騎士って、騎士から選ばれるから基礎訓練はばっちりだもんな。
混ざるなら騎士見習いの基礎訓練じゃなきゃ駄目だろうな。
うん…自主連しよ。
座り込みそうになるのを堪えながら、ふらふらと水呑場に向かう。
火照った身体を少しだけ冷やしたい。
もう、これって運動部のノリだよね。
だって、飛竜騎士なのに大半が半袖チュニックに半ズボンなんだぜ?
アスランに用意された動きやすいけど肌の露出が少ないシャツとズボンは熱がこもり暑い。
歩きながらボタンを外し、パタパタと手で顔を扇ぐ。
背中を汗が流れ落ちるのがわかった。
「まだ訓練ができるなんて凄いよな…」
基礎訓練が終わった騎士達はそれぞれに別れて立ち稽古を始めている。
相手も決まっていなかったセラフィリーアだったため、少しだけ休憩できたのだ。
整備された水呑場。
常に水が流れて循環しているため清潔だ。
水溜の水に手を入れて洗うと、小さな噴水になっているところから水を手のひらに汲むとパシャリと顔に当てる。
冷たくて気持ちいい。
真夏は冷たいし、冬でも凍ることの無い不思議な水だ。
ざぶざぶと顔を洗ってから、ポケットにいれていたハンカチで顔を拭く。
そして、口を濯いで水を吐き出すと訓練に戻ろうと腕捲りをする。
流石にズボンの裾は捲れないが。
「セラ様、団長への急ぎの決裁がありますので、セラ様が目を通してから、王宮へお持ちいただけますか?書類は執務室にありますので…お着替えをされてからお願いします」
声を掛けてきたのはネイトだった。
こんにちはとセラフィリーアが挨拶をすると、笑みを浮かべたネイトは頭を下げて頼む。
「わかりました…あのネイト様…戻って来られるとは思いますが、もし何かかあったときにはルシウス様のヤトと、カラク様のサーシャとお話をさせてもらう予定だったので、差し支えなければヤトとサーシャだけでも夕方に離宮へ来てくださるようにお伝えいただけますか?
来ていただくのは申し訳ないのですが、私が移動するには時間がかかるので…」
「畏まりました。私の飛竜もお邪魔させても宜しいですか?」
「はい。ただ、ルディアスがいますので、あまりたくさん飛竜が降りられないので、順番になるかもしれませんが。
ネイト様も離宮でおもてなしできるかはわかりませんが、いらしてくださいね?では行って参ります。」
もう一度セラフィリーアは顔を拭くと小走りで執務室に向かう。
その後ろ姿をネイトは見送った。
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