【ＢＬ】空と水の交わる場所～ゲーム世界で竜騎士になりました。

２章 幼竜との出逢い

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「セラ様、陛下がいらっしゃいました」

寝台の灯りを消そうとしていた矢先、アスランの良く通る声がアイヴィスの来訪を告げる。
それに慌てて寝台から降りた。
洗った髪は侍従達の手で綺麗に整えてはあるが、着ている服は寝着なのだ。
アイヴィスは気にしないかもしれないが、こちらはそうもいかない。
来るなら来るで先触れとかさぁ？
何も無かったよね？
そう思っても、来てしまったのは仕方ない。


「…少し待って貰って、支度をするから。リオルいる？」

「此処に」

「見苦しくない程度にして」

「御意」


眠る直前だったのに。
睡魔か襲ってきていたわけではないが、リラックスタイムだったのだ。
リオルに簡単に髪を編んで貰い、夜着の上に大きめの肩掛けを羽織ると、アイヴィスの待つ部屋へ向かう。


「お待たせいたしました」


ノックをする前に内側からアスランが開けてくれた扉から中に入ると
アイヴィスはちょうど紅茶を飲んでいた。


「いぇ、こちらこそいきなりの訪問申し訳ない」


口につけたティーカップをそっとソーサーに戻してからアイヴィスが立ち上がる。
今日はいつもより砕けた服装なのは謁見業務がなかったのだろう。


「大丈夫です、陛下お疲れですか？お忙しい所にシュクラの引っ越し準備も…
シュクラも綺麗な庭が気に入ったみたいではしゃぎ疲れたのか良く寝ていますから」


促されるままソファーに座り、アスランの入れたハーブティーを口にする。


「そうか、良かった…垣根より外にでなければ大丈夫なはずだ。
まぁ、飛竜だから空に上がられてしまうと困るが…そのときはルディアスがいる。
ルディアスが、早く庭に来たいと言っているが、落ち着くまで待てと言ってある」

本当に飛竜達はシュクラが好きで好きで仕方ないのだとアイヴィスが笑う。
これも偏にシュクラが『金色』を持って産まれてきたかららしい。
自分は契約者であるが、母親に近い立ち位置なのだろう。
成竜になるまでにしっかりと育てて、そのあとは…


「陛下…然るべき時が来たら、私を臣下にしてくださいますか」


ふと、口をついて出た言葉に自分で驚く。
いや、飛竜の騎士になるのならば、アルトリアの民でなくてはならない。
まだ幼竜のうちは仕方無いが、成竜になれば、自分も騎士として戦場に出ることも考えなければならない
それならば、早い段階で騎士に入り力をつけなければならないだろう。
それが、シュクラの契約者としてしなければならないことだ。
今までぬくぬくとファレナスで育ってきて、剣を持ったことはあるが、極めるまではいっていない。
兄達よりは細く、向いていないと言い訳をして逃げていた。


「…考えよう」


アイヴィスの頷きに安心してセラフィリーアはハーブティーをのみほした