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1章 旅立ち
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「ネイト様、この子の名前は何と言いますか?」
飛竜の瞼に触れながら、セラフィリーアは問う
『我が名はルディアス、そなたにはディアと呼ぶことを許す』
「え、ありがとうディア」
あれ、誰の声?
きょろきょろと辺りを見回すと、飛竜の瞳が半分だけ開いていた。
「聞こえるのはディアの声?いい声だね…ありがとう。俺はセラフィリーア、ファレナスの国の王子だよ」
『知っている。迎えに行っただろう?あの国も美しい…セラフィ…セラフィリー…むぅ、我らには少し発音しにくい名前だな』
何度か言い直すルディアスに、くすりと笑うと滑らかな瞼横の辺りにそっと額を付ける。
「セラでいいよ?家族達はそう呼ぶから」
『あぁ、セラ…だな。良ければ人間どもが温めている卵の片割れに触ってやってくれ。もう片方は残念だが朽ちている。早くせねば、そなたの片割れも朽ちてしまうかもしれぬが、それもせんないこと』
低くそれでいて穏やかな声音は、アイヴィスと良く似ていると思う。
「卵?さっき見てきた子?それに触れればいい?」
『良い』
「陛下に許可を貰わないと。勝手にはそんなことできないよ…明日でもいい?」
『1日でも早い方がいいのだ…どれ、急ぐならは、我が城まで飛んでやろう』
ルディアスが上体を起こすと、ふわりと前足に包まれる。
「うわ、ネイト様っ!ちょっとディアが陛下に会いに行くって、直ぐに戻りますから!」
叫ぶのと同時にふわりと浮かび上がる身体。
一気に高い位置まで上がると、王城まではひとっ飛びだった。
ルディアスが降りたのは城の屋上。
そこに待っていたのはアイヴィスだった。
「お帰りなさい?セラフィリーア王子。こんなところに降りなくても良かっただろうに…ルディアス?声は聞こえたいたけれど…」
『うむ…セラが恐らくけいやく…の…』
ルディアスの手から降りると、とたんにルディアスの声が聞こえなくなった。
「あれ、ディア?」
『…ん?どうした?』
ぺたりとルディアスの腕に触れると聞こえ、話すと途切れる。
「触っている間は聞こえるみたい…」
セラフィリーアの出した結論はこれだった。
***************
本体が体調不良につき、短い配信か
間を空けての配信になるかもしれません。
できるだけがんばりますが、ぬるい目で見守ってください。
飛竜の瞼に触れながら、セラフィリーアは問う
『我が名はルディアス、そなたにはディアと呼ぶことを許す』
「え、ありがとうディア」
あれ、誰の声?
きょろきょろと辺りを見回すと、飛竜の瞳が半分だけ開いていた。
「聞こえるのはディアの声?いい声だね…ありがとう。俺はセラフィリーア、ファレナスの国の王子だよ」
『知っている。迎えに行っただろう?あの国も美しい…セラフィ…セラフィリー…むぅ、我らには少し発音しにくい名前だな』
何度か言い直すルディアスに、くすりと笑うと滑らかな瞼横の辺りにそっと額を付ける。
「セラでいいよ?家族達はそう呼ぶから」
『あぁ、セラ…だな。良ければ人間どもが温めている卵の片割れに触ってやってくれ。もう片方は残念だが朽ちている。早くせねば、そなたの片割れも朽ちてしまうかもしれぬが、それもせんないこと』
低くそれでいて穏やかな声音は、アイヴィスと良く似ていると思う。
「卵?さっき見てきた子?それに触れればいい?」
『良い』
「陛下に許可を貰わないと。勝手にはそんなことできないよ…明日でもいい?」
『1日でも早い方がいいのだ…どれ、急ぐならは、我が城まで飛んでやろう』
ルディアスが上体を起こすと、ふわりと前足に包まれる。
「うわ、ネイト様っ!ちょっとディアが陛下に会いに行くって、直ぐに戻りますから!」
叫ぶのと同時にふわりと浮かび上がる身体。
一気に高い位置まで上がると、王城まではひとっ飛びだった。
ルディアスが降りたのは城の屋上。
そこに待っていたのはアイヴィスだった。
「お帰りなさい?セラフィリーア王子。こんなところに降りなくても良かっただろうに…ルディアス?声は聞こえたいたけれど…」
『うむ…セラが恐らくけいやく…の…』
ルディアスの手から降りると、とたんにルディアスの声が聞こえなくなった。
「あれ、ディア?」
『…ん?どうした?』
ぺたりとルディアスの腕に触れると聞こえ、話すと途切れる。
「触っている間は聞こえるみたい…」
セラフィリーアの出した結論はこれだった。
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本体が体調不良につき、短い配信か
間を空けての配信になるかもしれません。
できるだけがんばりますが、ぬるい目で見守ってください。
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