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2章
10話
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あれから、毎夜レイジュは私を抱いた。
3日目になると、身体もだいぶ慣れてきて痛みも無くなったがその代わりにレイジュに触れられた部分が過敏に反応するようになってしまった。
少しの布の擦れが何もしていないのに快感に変わってしまう。
だから、キラの着替えの手伝いは断っていた。
「はぁ……どうしたらいいのかな……何をしても……」
気になって仕方がない。
胸の辺りの布を握り込みながら、呟いた。
「なにがどうしたらいいのだ?」
背後から掛かった声に飛び上がりそうになる。
「れ、レイジュ……」
「どうした?痛いのか?」
心配そうな表情に、これを伝えてしまっていいのか困る。
「…………レイジュ、あの……私の身体……おかしくなっていて、触られていないのに、レイジュに触られているみたいになって……だから」
そう言った瞬間、レイジュに抱き締められた。
「そうか……なら、ずっと触れていなくても一緒にいるみたいだな……」
嬉しそうな声に、それ以上何も言えない。
抱き締められたレイジュの服から甘い香が香った。
「レイジュ……誰の香ですか?」
もぞもぞと私はその腕の中から逃げようとする。
レイジュの香ではないのだ。
レイジュはこんなに甘い香りはしない。
しかも胸元からだなんて……。
自分以外を抱き締めたのかと思うと、嫉妬してしまう。
そんな権利はないのに。
きょとんとしたレイジュが笑いだした。
「な……」
「ティア、この香りだろう?」
服の間からレイジュが取り出したのは小さな匂い袋。
「似せてみたが、なかなか同じ匂いにはならなくて……やはり、本人に頼むか」
「本人?」
「あぁ、わからないか?」
「わかりませんが……?」
「ティアの服に焚き染められているものと同じものだが」
レイジュに言われてハッとした。
私の香と同じもの?
自分で合わせる事がなく、気付かなかったがこんな匂いなのだろうか。
「久しぶりに長い時間離れていたからな寂しくなって忍ばせてしまったが、こんなことならティアに頼めば良かったな……すまない」
そう言われて抱き締められた。
恥ずかしい。
レイジュを抱き締め返してその胸に顔を埋めたのだった。
3日目になると、身体もだいぶ慣れてきて痛みも無くなったがその代わりにレイジュに触れられた部分が過敏に反応するようになってしまった。
少しの布の擦れが何もしていないのに快感に変わってしまう。
だから、キラの着替えの手伝いは断っていた。
「はぁ……どうしたらいいのかな……何をしても……」
気になって仕方がない。
胸の辺りの布を握り込みながら、呟いた。
「なにがどうしたらいいのだ?」
背後から掛かった声に飛び上がりそうになる。
「れ、レイジュ……」
「どうした?痛いのか?」
心配そうな表情に、これを伝えてしまっていいのか困る。
「…………レイジュ、あの……私の身体……おかしくなっていて、触られていないのに、レイジュに触られているみたいになって……だから」
そう言った瞬間、レイジュに抱き締められた。
「そうか……なら、ずっと触れていなくても一緒にいるみたいだな……」
嬉しそうな声に、それ以上何も言えない。
抱き締められたレイジュの服から甘い香が香った。
「レイジュ……誰の香ですか?」
もぞもぞと私はその腕の中から逃げようとする。
レイジュの香ではないのだ。
レイジュはこんなに甘い香りはしない。
しかも胸元からだなんて……。
自分以外を抱き締めたのかと思うと、嫉妬してしまう。
そんな権利はないのに。
きょとんとしたレイジュが笑いだした。
「な……」
「ティア、この香りだろう?」
服の間からレイジュが取り出したのは小さな匂い袋。
「似せてみたが、なかなか同じ匂いにはならなくて……やはり、本人に頼むか」
「本人?」
「あぁ、わからないか?」
「わかりませんが……?」
「ティアの服に焚き染められているものと同じものだが」
レイジュに言われてハッとした。
私の香と同じもの?
自分で合わせる事がなく、気付かなかったがこんな匂いなのだろうか。
「久しぶりに長い時間離れていたからな寂しくなって忍ばせてしまったが、こんなことならティアに頼めば良かったな……すまない」
そう言われて抱き締められた。
恥ずかしい。
レイジュを抱き締め返してその胸に顔を埋めたのだった。
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