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1章
33話
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「ティア様、眠れませんか?」
欠伸を噛み殺した所でキラ様に心配された。
「え、あ…はい…レイジュは、大丈夫でしょうか」
もう、3日も逢っていない。
此処へ来たときには毎日のように何かしらで来ていたのに…仕事かなにかだろうか。
それとも具合が悪いのだろうか。
考えてしまうと不安になる。
「はい、大丈夫かと。事情があっていらっしゃれないようですが、今日は預かっているものかございまして…お持ちしても?」
どうやら、食事が終わるまで待ってくれていたようだ。
「えぇ、はい…」
何だろうか。
「お待ちくださいませ」
キラ様が持ってきた瞬間、部屋の空気が変わる。
其処だけ何が季節が切り取られてやって来たようだった。
色々な花の香り。
「凄い…」
何種類もの香りが合わさって1つになっている。
「大丈夫ですか?ティア様?」
「何が…ですか?」
「通常ですと、一種類の香りの方が…」
「あぁ、大丈夫です。私は薬師ですから…全部ではありませんがかぎ分けられますよ?」
失礼しますとキラ様が触れさせてくださったのは、大きな花束。
「うわ…キラ様っ…」
腕で抱えるくらいの花束に驚きながらも、これをどうしたらいいのかと悩む。
「花瓶がありますか?」
「ございますが…」
「なら、寝室の端に置いてくださいませんか?」
ここならばずっとこの香りを嗅いでいられる。
花束の中に混じったレイジュの香りは、恐らくその花を焚き物に使っているのだろうから。
本当ならばその花だけが欲しいけれど、何の花かはわからなくてそれは言えず。
「では、寝室の端に置きますが、歩くときにはご注意くださいませ。
花瓶はいくら割っても構いませんが、ティア様がお怪我をなされば、レイジュ様が心配されますから」
「ふふ、ありがとうございます…そちら側にはなるべく行かないように致しますから…」
キラ様が離れていく。
少しあってから水の揺れる音がして、花瓶が来たのがわかった。
嬉しい。
何の花か考えるのも楽しそうだ。
そう思いながら、レイジュの心遣いに感謝した。
欠伸を噛み殺した所でキラ様に心配された。
「え、あ…はい…レイジュは、大丈夫でしょうか」
もう、3日も逢っていない。
此処へ来たときには毎日のように何かしらで来ていたのに…仕事かなにかだろうか。
それとも具合が悪いのだろうか。
考えてしまうと不安になる。
「はい、大丈夫かと。事情があっていらっしゃれないようですが、今日は預かっているものかございまして…お持ちしても?」
どうやら、食事が終わるまで待ってくれていたようだ。
「えぇ、はい…」
何だろうか。
「お待ちくださいませ」
キラ様が持ってきた瞬間、部屋の空気が変わる。
其処だけ何が季節が切り取られてやって来たようだった。
色々な花の香り。
「凄い…」
何種類もの香りが合わさって1つになっている。
「大丈夫ですか?ティア様?」
「何が…ですか?」
「通常ですと、一種類の香りの方が…」
「あぁ、大丈夫です。私は薬師ですから…全部ではありませんがかぎ分けられますよ?」
失礼しますとキラ様が触れさせてくださったのは、大きな花束。
「うわ…キラ様っ…」
腕で抱えるくらいの花束に驚きながらも、これをどうしたらいいのかと悩む。
「花瓶がありますか?」
「ございますが…」
「なら、寝室の端に置いてくださいませんか?」
ここならばずっとこの香りを嗅いでいられる。
花束の中に混じったレイジュの香りは、恐らくその花を焚き物に使っているのだろうから。
本当ならばその花だけが欲しいけれど、何の花かはわからなくてそれは言えず。
「では、寝室の端に置きますが、歩くときにはご注意くださいませ。
花瓶はいくら割っても構いませんが、ティア様がお怪我をなされば、レイジュ様が心配されますから」
「ふふ、ありがとうございます…そちら側にはなるべく行かないように致しますから…」
キラ様が離れていく。
少しあってから水の揺れる音がして、花瓶が来たのがわかった。
嬉しい。
何の花か考えるのも楽しそうだ。
そう思いながら、レイジュの心遣いに感謝した。
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