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20 一緒に踊る
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「…ぅ。」
アイヴィスから届けられた豪奢なドレス。
やっぱりこれかとセラフィリーアはげんなりした。
「今年こそは騎士団服でいいと思ってたのに…あれって正装だよなぁ?」
暑い時期になると、王宮を解放しての舞踏会。
打ち上がる花火は毎年楽しみにしているのだが、こればかりは苦手なのだ。
ファレナスでもアルトリアでも式典は正装。
これはわかるんだけれど…わかるけどさ…アルトリアの正装は重い。
何枚も布を重ねて作られた鎧かってくらいのドレス。
確かにふわりと回れば綺麗に翻るのだけれど。
「うーん…よし!」
俺は昔とった杵柄ではないが、アイヴィスからのドレスにハサミを入れる。
その瞬間、アスランとリオルの顔に絶望が浮かんだ。
重なった布を1枚ずつ外し、外側の1枚には大胆にサイドにハサミを入れた。
「アスラン、悪いけれど白の長いスカートと白いキュロット出してきて。リオルは仕立屋に早急に来るように連絡!若くて腕が良いのを選んでね」
ふたりの侍従に声を掛けながらも手は止まらない。
「よし、これで…キュロットを履いてスカート。パニエがあれば…あ、作ればいいのか。まだ時間かあるし。
アイヴィスは怒らないだろうけど…当日まで秘密」
それから、仕立屋を交えての打ち合わせを繰り返してできたドレスを纏う。
アルトリアで昔から着られているアオザイに似た衣装のように前後左右にスリットを入れて腰から下はふわりと広がりを持たせたスカートのようにしたもの。
パニエを試行錯誤しながら作って貰うと最初にアイヴィスに贈って貰ったものとシルエットは変わらない。
エスコートに来たアイヴィスが少し驚いた表情を見せたが、知るか。
着てやるだけえらいだろ?
なんて思いながらその手を取ってホールに入る。
ざわざわしていた声が止み、音楽が流れ出す。
「あー…やっぱりまずかった…かな」
小さく呟くと、ホールドしたアイヴィスが笑ったのがわかる。
「悪くないとは思ったんだけど…」
ダメだったかなぁ…とちらりと見上げると満面の笑みで見下ろされていた。
簡単な会話をしながらもくるりくるりとターンができるのは幼い頃からの反復練習とアイヴィスのリードのおかげ。
「次の式典できっとセラのドレスを真似するものが増えるよ?賭けてもいい。それだけ斬新だけど美しいし流行の最先端になるだろうから」
曲が止まるとゆっくり頭を下げる。
そして手を繋いだまま席についたのだった。
アイヴィスから届けられた豪奢なドレス。
やっぱりこれかとセラフィリーアはげんなりした。
「今年こそは騎士団服でいいと思ってたのに…あれって正装だよなぁ?」
暑い時期になると、王宮を解放しての舞踏会。
打ち上がる花火は毎年楽しみにしているのだが、こればかりは苦手なのだ。
ファレナスでもアルトリアでも式典は正装。
これはわかるんだけれど…わかるけどさ…アルトリアの正装は重い。
何枚も布を重ねて作られた鎧かってくらいのドレス。
確かにふわりと回れば綺麗に翻るのだけれど。
「うーん…よし!」
俺は昔とった杵柄ではないが、アイヴィスからのドレスにハサミを入れる。
その瞬間、アスランとリオルの顔に絶望が浮かんだ。
重なった布を1枚ずつ外し、外側の1枚には大胆にサイドにハサミを入れた。
「アスラン、悪いけれど白の長いスカートと白いキュロット出してきて。リオルは仕立屋に早急に来るように連絡!若くて腕が良いのを選んでね」
ふたりの侍従に声を掛けながらも手は止まらない。
「よし、これで…キュロットを履いてスカート。パニエがあれば…あ、作ればいいのか。まだ時間かあるし。
アイヴィスは怒らないだろうけど…当日まで秘密」
それから、仕立屋を交えての打ち合わせを繰り返してできたドレスを纏う。
アルトリアで昔から着られているアオザイに似た衣装のように前後左右にスリットを入れて腰から下はふわりと広がりを持たせたスカートのようにしたもの。
パニエを試行錯誤しながら作って貰うと最初にアイヴィスに贈って貰ったものとシルエットは変わらない。
エスコートに来たアイヴィスが少し驚いた表情を見せたが、知るか。
着てやるだけえらいだろ?
なんて思いながらその手を取ってホールに入る。
ざわざわしていた声が止み、音楽が流れ出す。
「あー…やっぱりまずかった…かな」
小さく呟くと、ホールドしたアイヴィスが笑ったのがわかる。
「悪くないとは思ったんだけど…」
ダメだったかなぁ…とちらりと見上げると満面の笑みで見下ろされていた。
簡単な会話をしながらもくるりくるりとターンができるのは幼い頃からの反復練習とアイヴィスのリードのおかげ。
「次の式典できっとセラのドレスを真似するものが増えるよ?賭けてもいい。それだけ斬新だけど美しいし流行の最先端になるだろうから」
曲が止まるとゆっくり頭を下げる。
そして手を繋いだまま席についたのだった。
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