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19 正装
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「いってらっしゃい」
背中に羽織る外套の寄った皺と肩口の留め具を直してからゆっくり背中を押す。
毎年行われる収穫祭。
その式典の為にセラフィリーアはアイヴィスを送り出す。
騎士団長としてではなく、陛下としての正装。
今回は白と紺を基調とした衣装に所々水色が入る。
「はぁ…もう、目の毒」
外套の裏に入る刺繍はセラフィリーアが刺したもの。
アイヴィスにはそれを言っていないが、お抱えの針子からも上手いと言われたから問題ないとは思うけれど…
1針1針しっかりと刺した。
末長くアイヴィスの御代が続くように。
まだ、世継ぎは居ないけれど、こればかりは天が定めることだし、まだアイヴィスも若い。
「さて、俺も着替えなきゃ…」
このあとに国の上空を飛竜が駆ける。
その先導を任されているのだ。
セラフィリーアも騎乗用の正装を着せて貰わなければならない。
「アイヴィス様の演説聞きたかったな…」
ルディアスを従え、朗々と話すアイヴィスが見えるようだ。
足取りも軽く自室に向かうと、アスランとリオルが待っていた。
騎士団の正装や盛装は一人では着られないからで、こればかりは仕方ない。
「アスラン、リオル、宜しく」
窓際のトルソーには見慣れない衣装がかかっている
「あれ、騎士団服の正装じゃないの?」
今日のこの日までに何度も採寸等を繰り返していたのに。
「はい、アイヴィス様よりこちらをと」
リオルが早くしてくださいとばかりに告げてくる。
「…これって…さぁ…」
「はい。その通りです」
アスランが言外に肯定する。
ちょっと待って…なんでこのタイミング?
アイヴィス様の晴れの日だよねぇ?
俺が着たら台無しじゃん?
「お早く。アイヴィス様がお待ちですよ」
溜め息を吐くとセラフィリーアはその『正装』に袖を通すのだった。
背中に羽織る外套の寄った皺と肩口の留め具を直してからゆっくり背中を押す。
毎年行われる収穫祭。
その式典の為にセラフィリーアはアイヴィスを送り出す。
騎士団長としてではなく、陛下としての正装。
今回は白と紺を基調とした衣装に所々水色が入る。
「はぁ…もう、目の毒」
外套の裏に入る刺繍はセラフィリーアが刺したもの。
アイヴィスにはそれを言っていないが、お抱えの針子からも上手いと言われたから問題ないとは思うけれど…
1針1針しっかりと刺した。
末長くアイヴィスの御代が続くように。
まだ、世継ぎは居ないけれど、こればかりは天が定めることだし、まだアイヴィスも若い。
「さて、俺も着替えなきゃ…」
このあとに国の上空を飛竜が駆ける。
その先導を任されているのだ。
セラフィリーアも騎乗用の正装を着せて貰わなければならない。
「アイヴィス様の演説聞きたかったな…」
ルディアスを従え、朗々と話すアイヴィスが見えるようだ。
足取りも軽く自室に向かうと、アスランとリオルが待っていた。
騎士団の正装や盛装は一人では着られないからで、こればかりは仕方ない。
「アスラン、リオル、宜しく」
窓際のトルソーには見慣れない衣装がかかっている
「あれ、騎士団服の正装じゃないの?」
今日のこの日までに何度も採寸等を繰り返していたのに。
「はい、アイヴィス様よりこちらをと」
リオルが早くしてくださいとばかりに告げてくる。
「…これって…さぁ…」
「はい。その通りです」
アスランが言外に肯定する。
ちょっと待って…なんでこのタイミング?
アイヴィス様の晴れの日だよねぇ?
俺が着たら台無しじゃん?
「お早く。アイヴィス様がお待ちですよ」
溜め息を吐くとセラフィリーアはその『正装』に袖を通すのだった。
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