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18 好きなことをする
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アイヴィスがいない。
先日から、領地視察と言うことで1飛竜騎士団を連れて辺境伯の所へ行った。
まだ、俺を連れていくには不安があるらしく、行くのを延期するとかしないとか散々ごねていたのを送り出した。
「行ってらっしゃい。領地で何がおこったのか、ちゃんと確認するのも皇帝の仕事だよ?それに、俺がいるから毎年の視察に来ない。
隣国の王子が皇帝をたぶらかしてるんだろなんて悪評が立ったら俺が困るからさ?
大丈夫、いいこで待ってるから」
出立前日、丸1日をかけてイチャイチャと抱き潰されて、今朝の見送りは立ち上がれない俺をアスランが抱き上げて式典に連れていってくれた。
まだ、身体が本調子ではないという無理矢理の理由をつけて。
いってらっしゃいと、アイヴィスとルディアスに軽いキスを贈り手を振って空を見上げる。
空には黒の一団が舞い上がった。
「今日は無理しないよ…」
アスランに寝台に運ばれると、ふわりと毛布かかけられた。
「あれ…」
いつも使っているものと違うのに気付き、セラフィリーアの顔は真っ赤になる。
これ、アイヴィス様のやつ!
微かに残るアイヴィスの香りに消えた筈の熱がぶり返しそうになる。
「セラ様、私達は下がりますから何かありましたらお呼びください…」
アスランが大人びた表情を浮かべて去っていく。
うん…何するかわかっちゃってる?
優秀すぎる俺の侍従は枕元にそっと軟らかなタオルとサイドテーブルには手洗い桶を置いてくれているのが恥ずかしいけど、けど、けどっ!
「ん…っ」
仕方ないじゃん?
ものわかりよく送り出したけど寂しいんだよやっぱり。
「ぁ…アイヴィス…さま」
匂いを吸い込むだけで気持ちが高揚して腰が揺れてしまう。
自分で慰めるなんて、あまり経験がなくて…ついアイヴィスの指が動くようにアイヴィスの動きを追ってしまう。
「…っ、やっぱり…アイヴィス様のがいい…」
後ろを自分でするのは怖くてできないが、身体の奥
深い部分に灯った熱は刺激がないと燻ったままで見悶えてしまう。
何をしたっていつもアイヴィスがいるから、いないのが不思議で仕方ない。
好きなことをするのにも集中できない。
それだけアイヴィスが『好き』なのだ。
先日から、領地視察と言うことで1飛竜騎士団を連れて辺境伯の所へ行った。
まだ、俺を連れていくには不安があるらしく、行くのを延期するとかしないとか散々ごねていたのを送り出した。
「行ってらっしゃい。領地で何がおこったのか、ちゃんと確認するのも皇帝の仕事だよ?それに、俺がいるから毎年の視察に来ない。
隣国の王子が皇帝をたぶらかしてるんだろなんて悪評が立ったら俺が困るからさ?
大丈夫、いいこで待ってるから」
出立前日、丸1日をかけてイチャイチャと抱き潰されて、今朝の見送りは立ち上がれない俺をアスランが抱き上げて式典に連れていってくれた。
まだ、身体が本調子ではないという無理矢理の理由をつけて。
いってらっしゃいと、アイヴィスとルディアスに軽いキスを贈り手を振って空を見上げる。
空には黒の一団が舞い上がった。
「今日は無理しないよ…」
アスランに寝台に運ばれると、ふわりと毛布かかけられた。
「あれ…」
いつも使っているものと違うのに気付き、セラフィリーアの顔は真っ赤になる。
これ、アイヴィス様のやつ!
微かに残るアイヴィスの香りに消えた筈の熱がぶり返しそうになる。
「セラ様、私達は下がりますから何かありましたらお呼びください…」
アスランが大人びた表情を浮かべて去っていく。
うん…何するかわかっちゃってる?
優秀すぎる俺の侍従は枕元にそっと軟らかなタオルとサイドテーブルには手洗い桶を置いてくれているのが恥ずかしいけど、けど、けどっ!
「ん…っ」
仕方ないじゃん?
ものわかりよく送り出したけど寂しいんだよやっぱり。
「ぁ…アイヴィス…さま」
匂いを吸い込むだけで気持ちが高揚して腰が揺れてしまう。
自分で慰めるなんて、あまり経験がなくて…ついアイヴィスの指が動くようにアイヴィスの動きを追ってしまう。
「…っ、やっぱり…アイヴィス様のがいい…」
後ろを自分でするのは怖くてできないが、身体の奥
深い部分に灯った熱は刺激がないと燻ったままで見悶えてしまう。
何をしたっていつもアイヴィスがいるから、いないのが不思議で仕方ない。
好きなことをするのにも集中できない。
それだけアイヴィスが『好き』なのだ。
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