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6章
1話
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「レイモンド様、どうぞ」
リュークにいれてもらったお茶を口にしながら窓の外を見る。
静かに雨が降っていた。
「ありがとう。やぁね、雨だと任務が辛くなるわ」
冷たい雨は体力を奪っていく。
それでも、騎士としての任務は楽しかったのだ。
膝にはひざ掛け。
部屋は寒くないように暖かく保たれている。
「リューク、少し動きたいわ。食欲が戻ってきたから激しい運動はしないけど少しくらいは身体が鈍るわ」
庭付きの屋敷は、外からは木々が目隠しになり中を伺うことは出来ないのを知っている。
ただ、武器など一式は全て騎士団の部屋に置いてきてしまっているため、何か欲しいとリュークに頼むがリュークは首を縦には振らなかった。
「散歩くらいなら可能ですが、これから寒くなる季節ですから許可できません。お身体をご自愛くださいませ」
追加の紅茶をいれたリュークはティーカップをレイモンドの前に置いた。
「もう、大丈夫だってば」
「いけません」
リュークは細く見えても武芸百般で、レイモンドも恐らく組手では勝てないだろう。
そもそも、この身体では組手もできはしないけれど。
「わかったわよ、散歩ならいいのでしょう?」
「はい、レイモンド様どうぞジンジャークッキーです。お好きでしたよね?」
小さめの白い皿に置かれたクッキー。
吐き気のある時はこのクッキーすら口に出来なかった。
ただ、ひとつマドレーヌは何故か食べる事ができたのは、ニコルの好みを受けたからだろうか。
「美味しいわね、ありがとうリューク」
「いえ、マドレーヌもご用意しておりますが」
「大丈夫よ、マドレーヌも好きだけれど今日はいいわ。今度、寒くない時にでも買いに行きたいわね」
まだ、動けるうちに欲しいものは買いに行きたい。
「では、雨が上がりましたら行けるように手配致しましょう」
「お願い」
「かしこまりました」
「リューク、貴方も一緒にお茶をしましょうよ。ひとりは寂しいもの」
ティーカップを手にすると二杯目のお茶を口にした。
「ありがとうございます。では少しだけ」
リュークも、予備に持っていたティーカップを取り出すと、レイモンドと同じお茶をいれる。
「座りなさいよ、どうせアタシしかいないんだもの。たまには手を抜きなさい。ホコリじゃ死なないわよ」
レイモンドはクスクス笑う。
「リューク、本当に貴方は此処にいなくてもいいのよ?食事だけ作りに来てくれるシェフがいれば掃除も洗濯もアタシはできるもの。食事だって食材があれば作れるのよ?だから本当に無理はしないでちょうだい……それがあの人の命であってもね」
レイモンドは静かに言う。
屋敷を貸してくれただけでも御の字なのだから。
リュークにいれてもらったお茶を口にしながら窓の外を見る。
静かに雨が降っていた。
「ありがとう。やぁね、雨だと任務が辛くなるわ」
冷たい雨は体力を奪っていく。
それでも、騎士としての任務は楽しかったのだ。
膝にはひざ掛け。
部屋は寒くないように暖かく保たれている。
「リューク、少し動きたいわ。食欲が戻ってきたから激しい運動はしないけど少しくらいは身体が鈍るわ」
庭付きの屋敷は、外からは木々が目隠しになり中を伺うことは出来ないのを知っている。
ただ、武器など一式は全て騎士団の部屋に置いてきてしまっているため、何か欲しいとリュークに頼むがリュークは首を縦には振らなかった。
「散歩くらいなら可能ですが、これから寒くなる季節ですから許可できません。お身体をご自愛くださいませ」
追加の紅茶をいれたリュークはティーカップをレイモンドの前に置いた。
「もう、大丈夫だってば」
「いけません」
リュークは細く見えても武芸百般で、レイモンドも恐らく組手では勝てないだろう。
そもそも、この身体では組手もできはしないけれど。
「わかったわよ、散歩ならいいのでしょう?」
「はい、レイモンド様どうぞジンジャークッキーです。お好きでしたよね?」
小さめの白い皿に置かれたクッキー。
吐き気のある時はこのクッキーすら口に出来なかった。
ただ、ひとつマドレーヌは何故か食べる事ができたのは、ニコルの好みを受けたからだろうか。
「美味しいわね、ありがとうリューク」
「いえ、マドレーヌもご用意しておりますが」
「大丈夫よ、マドレーヌも好きだけれど今日はいいわ。今度、寒くない時にでも買いに行きたいわね」
まだ、動けるうちに欲しいものは買いに行きたい。
「では、雨が上がりましたら行けるように手配致しましょう」
「お願い」
「かしこまりました」
「リューク、貴方も一緒にお茶をしましょうよ。ひとりは寂しいもの」
ティーカップを手にすると二杯目のお茶を口にした。
「ありがとうございます。では少しだけ」
リュークも、予備に持っていたティーカップを取り出すと、レイモンドと同じお茶をいれる。
「座りなさいよ、どうせアタシしかいないんだもの。たまには手を抜きなさい。ホコリじゃ死なないわよ」
レイモンドはクスクス笑う。
「リューク、本当に貴方は此処にいなくてもいいのよ?食事だけ作りに来てくれるシェフがいれば掃除も洗濯もアタシはできるもの。食事だって食材があれば作れるのよ?だから本当に無理はしないでちょうだい……それがあの人の命であってもね」
レイモンドは静かに言う。
屋敷を貸してくれただけでも御の字なのだから。
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