【BL】オネェ騎士は見習いが可愛くて仕方ない。

梅花

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3章 騎士

9話

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「お待たせしました、レイモンド様」
ニコルが出てくると、レイモンドは顔を上げた。
「あら、さっきのと違うじゃない」
ニコルの首を見て、レイモンドは首を傾げる。ニコルの首には先程選んだ白いチョーカーではなく、黒地に紫の石の付いたチョーカーをしていたのだ。
「当ててみたら、こちらの方が似合うかなと」
「そうね、ニコルはどちらも似合うわよ?まだ早いけど、どこかで食事して帰りましょうか?それともお酒を買って帰る?ニコルがアタシの隊に来ると思っていなかったから、お祝いを用意して無かったのよ。だから、お祝いさせて頂戴」
ニコルとすれば、色々な物を買い与えられ、これ以上何をくれると言うのだろうかとレイモンドを見たが、レイモンドはそれに気付かない。
愛馬の手綱を手にして、少し歩きましょと促されてニコルはレイモンドの隣をゆっくり歩く。
「お酒、アタシは本当に少ししか飲めないけれど成人したら生まれた年のお酒を家族が開けて飲むって言うのがある所もあるのよ。成人の時はまだ見習いだったから飲めなかったけれど、騎士に正式になったのだから今日が成人よね。でも、無理に飲まなくても良いのよ?」
「レイモンド様、気遣われなくて大丈夫です、酒は極寒の中で暖を取るのに飲みましたから」
そう言うニコルの言葉にレイモンドは目を伏せる。
「ごめんなさい」
「いえ、なので酒を美味しいと思ったことが今までなく、レイモンド様が教えていただけますか?」
「アタシね、ムサファに止められてるのよ。酒癖が悪いから外で飲むなって」
歩きながらレイモンドは苦笑した。
初給料の時に、酒場に繰り出した同期達。
レイモンドもその輪の中に入れてもらい酒場でグラスに酒を注ぎ乾杯をして少ししたら意識を失った。
目が覚めた時には花街の一室で、致したであろう姿の自分だけが眠っており支払いが目が飛び出るくらいの金額を請求された。
だから、あの時からもう酒は飲まないと決めていたが、愛弟子の成人だから一緒に祝いたい。
「だから、一緒に飲むなら自分の部屋がいいんじゃない?」
「そう、ですね。僕の部屋なら大丈夫かと」
ニコルはそう提案をすると、酒屋を目指したのだった
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