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1章 見習い
18話
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髪をしっかりと拭きあげてから、服を着る。
「あら、結局それなの?」
ニコルが着るのはレイモンドのシャツ。
袖を巻き上げながら服を着ている。
「はい、洗ったら着ますけどこのシャツが一番好きです」
着心地のいいシャツは少し派手だったが、ニコルにはお気に入りの一枚だ。
「そう?じゃあ、洗濯物を持って物干し場に行きましょ?」
そう言いながらレイモンドは洗濯物の入った籠を手にする。
「あっ、僕持ちます!」
濡れた服はそれなりに重さがあり、ニコルは慌ててレイモンドが持った籠を掴む。
「いいわよ、それよりこっちお願いできるかしら?こっちも洗わないといけないから」
それはさっきまで着ていた服と下着。
「なら、僕が洗って干して頃合をみて取り込みますから!」
「できるかしら?最初は一緒に行きましょ?慣れたらお願いするわ」
レイモンドは籠を持って廊下に出る。
すれ違う騎士達が運びますよと、声を掛けレイモンドはありがとう今度頼むわと手を振ってから中庭へと向かう。
辿り着いた先には、組まれた木の棒に横に一本長い木が置かれている。
「此処はアタシたちが使っていい区画だから間違えないで?」
レイモンドは横向きで置かれた木の棒に、洗っておいた洗濯物を掛けて飛ばないようにしていく。
「こうやって使うの……ふふ、ニコルにはちょっと高いかしら。その時は踏み台があるから、少し大変だけどこれに上がって干しなさいね?大丈夫よ、そのうち大きくなるわよ?大きくなりたいならしっかり食べてしっかり寝なさい」
そう言いながら今度はさっきまでニコルが持ってきていた籠の中身を取り出すと、少し離れた備え付けの洗い場に広げて洗い始める。
「此処は水しか出ないから夏場はいいけど、寒くなってきたら辛いわよ?まぁ、遠征なんかがあったら寒いなんて言っていられないけど」
「頑張ります」
などなど、レイモンドとニコルは会話をしながら洗い物を終わらせると、一息つく。
芝生の上に寝転がり空を見上げながら色々と話をする。
レイモンドからは様々な話題が出て、ニコルは楽しげにそれを聞いていた。
「んー……やだわ、眠くなってきちゃった」
レイモンドは小さく欠伸をする。
「お昼寝したくなっちゃうわね。ニコル……少し眠ってもいいかしら……」
レイモンドはニコルを見て問い掛ける。
「はい、膝枕しますか?」
「いいわよぉ、でもニコルが風邪をひいたら困るわよね?部屋に一度戻ろうかしら……ん……四半時して起きなかったら起こしてちょうだい」
そう言うと、レイモンドは寝息をたてていた。
「あら、結局それなの?」
ニコルが着るのはレイモンドのシャツ。
袖を巻き上げながら服を着ている。
「はい、洗ったら着ますけどこのシャツが一番好きです」
着心地のいいシャツは少し派手だったが、ニコルにはお気に入りの一枚だ。
「そう?じゃあ、洗濯物を持って物干し場に行きましょ?」
そう言いながらレイモンドは洗濯物の入った籠を手にする。
「あっ、僕持ちます!」
濡れた服はそれなりに重さがあり、ニコルは慌ててレイモンドが持った籠を掴む。
「いいわよ、それよりこっちお願いできるかしら?こっちも洗わないといけないから」
それはさっきまで着ていた服と下着。
「なら、僕が洗って干して頃合をみて取り込みますから!」
「できるかしら?最初は一緒に行きましょ?慣れたらお願いするわ」
レイモンドは籠を持って廊下に出る。
すれ違う騎士達が運びますよと、声を掛けレイモンドはありがとう今度頼むわと手を振ってから中庭へと向かう。
辿り着いた先には、組まれた木の棒に横に一本長い木が置かれている。
「此処はアタシたちが使っていい区画だから間違えないで?」
レイモンドは横向きで置かれた木の棒に、洗っておいた洗濯物を掛けて飛ばないようにしていく。
「こうやって使うの……ふふ、ニコルにはちょっと高いかしら。その時は踏み台があるから、少し大変だけどこれに上がって干しなさいね?大丈夫よ、そのうち大きくなるわよ?大きくなりたいならしっかり食べてしっかり寝なさい」
そう言いながら今度はさっきまでニコルが持ってきていた籠の中身を取り出すと、少し離れた備え付けの洗い場に広げて洗い始める。
「此処は水しか出ないから夏場はいいけど、寒くなってきたら辛いわよ?まぁ、遠征なんかがあったら寒いなんて言っていられないけど」
「頑張ります」
などなど、レイモンドとニコルは会話をしながら洗い物を終わらせると、一息つく。
芝生の上に寝転がり空を見上げながら色々と話をする。
レイモンドからは様々な話題が出て、ニコルは楽しげにそれを聞いていた。
「んー……やだわ、眠くなってきちゃった」
レイモンドは小さく欠伸をする。
「お昼寝したくなっちゃうわね。ニコル……少し眠ってもいいかしら……」
レイモンドはニコルを見て問い掛ける。
「はい、膝枕しますか?」
「いいわよぉ、でもニコルが風邪をひいたら困るわよね?部屋に一度戻ろうかしら……ん……四半時して起きなかったら起こしてちょうだい」
そう言うと、レイモンドは寝息をたてていた。
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