【BL】オネェ騎士は見習いが可愛くて仕方ない。

梅花

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1章 見習い

10話

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「もう、お腹いっぱいです」
ニコルはレイモンドと分けて全部の種類のマドレーヌを完食した。
「でも、凄く美味しかったです」
ご馳走様でしたと頭を下げたニコルの頭にレイモンドはぽんと手を乗せる。
「さぁて、次は何を買おうかしらね。ニコルがしっかり勉強するようにガラスペンと、インクを買いに行きましょ。あと、ノートかしら?」
騎士見習いが学ぶ為に使う消耗品は基本共有で、ごく稀に自分の物を持ち込む見習いもいる。
「え」
「ちゃんと聞いてるわよ。とても出来がいいんですって?見習いになった時には辛うじて名前が書けるだけだったのが、今は文字を全部正しく書けるんですって?貴族なら幼い頃から講師がつくけれど、居なかったのでしょう?まだ数日なのにね……本当に……いえ、性別なんていいわ。ニコルはそれだけ頑張り屋さんなのね」
褒められて嬉しくない人間はいない。
「いえ、早く他の皆と同じように講義が受けられる様にならないとと思って……」
「そう、ならアタシでいいなら文字とか色々と教えてあげられるけどどうかしら?やるのは食事が終わってから寝るまでの一刻くらいの間とか?もちろん夜勤務がある時は出来ないけれど」
「え、いいんですか?」
「いいわよぉ?とりあえず歩きながら話しましょうか」
レイモンドに促され立ち上がると、店員が残っていた一人分のマドレーヌを紙袋にいれて渡してくれた。
それをニコルは受け取って大切に抱き締めるのをレイモンドはにこりと笑いながら促した。
「ペンとインクも買わなきゃだけど、本屋さんに行って簡単な本も買いましょ?時間があるかしらね。もしかしたらお昼は食べ歩きになっちゃうかもしれないわね、それでもいい?」
店を出て、行きつけの文具店に向かいながらレイモンドはニコルに問い掛ける。
可愛らしい雑貨も一緒に置いてある文具店は路地の片隅にひっそりとあった。
綺麗な羽根ペンが書かれている看板。
「ほら、行きましょう?ニコルはペンはどんなのがいいかしら」
店に入ると、文具店独特のインクの匂いがするが、ニコルにはそれがインクの匂いだとはわからないでいた。
「こんにちは、ペンを見させて?」
レイモンドが声を掛けると、可愛らしい声で返事があった。 
「書き味とか、握った感触とか好みがあるでしょ?持ってみたかったら店員さんに声を掛けなさい?アタシもいつものインク買わなきゃね?」
「はい」
ニコルは悩みながら店の中の文具を見始めた。
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