昔々

こたつ猫

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昔々

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昔々、A国とB国という大きな二つの国がありました。
A国の王は強い人でした。B国の人は優しい人でした。
ある時、神は二つの国の王様に言いました。

「来年の今日、私にもっとも徳があると思わせた国を栄えさせよう。」

二つの国は来年に向け準備を始めました。
A国はその年から税を増やし、神殿を作り始めました。そのおかげで国民の負担は増え、多くの餓死者を出しました。
B国は例年と変わらず、いつも通りの政治を行い、餓死者を出すことはありませんでした。

やがて一年が経ち、2人の王は神を待ちました。
やがて神が現れるとA国の王は言いました。

「神よ、私はあなたの住む神殿を作りました。黄金に美女に酒、なんでも揃えております。ぜひ、我がA国をさかえさせてください。」
「ふむ、そこでの生活はとても魅力的だな。さてB国の王。お主は何をした。」

B国の王は言いました。

「私は、国づくりを行いました。良い国づくりのため、毎日努力を怠らず、徳を積んで参りました。」
「なるほど。お主はいつも頑張っていた。死者も少なく、良い国だ。」

A国は利益の徳を、B国は善行の徳を用意した。

さて、どちらが栄えただろうか。
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